フューチャーワールド

　これは、ジェームズ・フランコが監督・主演を務めた近未来ＳＦアクション。

　核戦争後の荒廃した世界で、“レイダーズ（略奪者）”と呼ばれるならず者集団を率いるウォーロードは、探し求めていた美少女アンドロイドを入手、アッシュと名付け、彼の花嫁とする。
　一方、平和主義者が暮らす、人類に僅かに残された肥沃な地“オアシス”の統治者クイーンは、難病である赤熱病に冒されている。彼女の息子、プリンスは、赤熱病の特効薬を求め、楽園“パラダイス・ビーチ”にあると言う命の寺院を目指して旅立つのだが……

　この映画、予告編にある、荒野を改造バイクが爆走する「マッドマックス」のようなビジュアルと、ジェームズ・フランコ始め、ミラ・ジョボビッチ、ルーシー・リューと言うビッグネームが顔を揃えるキャスティングに興味を覚えて観たのですが……これが、Ｂ級どころかＣ級、あるいはＺ級と言う出来。
　砂漠を荒廃した未来の地球に見立て、あとはそれらしい廃墟を使って撮影、セットは廃墟を利用したオープンセットひとつと、大道具のバイク数台と４ＷＤ車が１台と言う、日本映画よりもチープな、自主映画のような道具立て。
　物語の方も、核戦争後の近未来、と言う設定にろくにディティールもつけられない雑なもので、もうツッコミを入れるのさえ空しくなるようなレベル。これが面白くなる訳がありません。
　（これなら「アイアンガール」の方がマシです）

　まぁ、ハリウッド・スターであるジェームズ・フランコが「マッドマックス」の真似事をしたくて撮ってみた、ちょっと豪華な自主映画、と言う所でしょうか？
　俳優のネームバリューもあって劇場公開されましたが、これはさすがに拡大公開するような内容ではないだろう、と思ってしまいました。
　

　（２０１８年　６月　２８日　品川プリンスシネマにて）

（作品データ）

　■監督

ジェームズ・フランコ

　■出演

ウォーロード　・・・　ジェームズ・フランコ

アッシュ　・・・　スーキー・ウォーターハウス

（その他のキャスト）
　ジェフリー・ウォールバーグ　　メソッド・マン 　　ミラ・ジョヴォヴィッチ 　　スヌープ・ドッグ 　　ルーシー・リュー

　■コピー

人類の行き着く先は“楽園”か、それとも――

　■Ｌｉｎｋ

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