ＧＯＤＺＩＬＬＡ
決戦機動増殖都市

　これは、「ＧＯＤＺＩＬＬＡ」シリーズの劇場版長編アニメーション映画三部作の第二弾。

　１９９９年に出現した怪獣王ゴジラとの戦いに敗れ、星間移民船アラトラム号で脱出を図った人類は、２万年後の地球に帰還を果たす。
　ゴジラへの復讐に燃える青年ハルオら地球降下部隊は苦戦の末にゴジラを倒すが、その直後に出現した更に巨大なゴジラ、体高３００ｍを超える巨大な“ゴジラ・アース”の出現により、壊滅状態となってしまう。
　しかし、地球に生き残った人類の末裔、フツアの人々に助けられたハルオは生き残った仲間たちと合流、更にフツアの交信役の双子の少女から、彼らは“最強の物質”を手に入れる。
　それは、ビルサルドにより打倒ゴジラを目指して作られたメカゴジラを構成する金属、“ナノメタル”だった……

　今回の物語は、まるで南方の原住民のようなフツアとの交流に始まり、ナノメタルの登場を経て、ビルサイドの科学力によりゴジラ・アースに挑むと言うもの。
　人型機動兵器ヴァルチャーなど、如何にもSFアニメ的ガジェットも登場する中、肝心の“メカゴジラ”の正体には……絶句。まぁ、確かに、サブタイトルにある「決戦機動増殖都市」には、観終わった後に納得するのですが……
　主人公のハルオは、相変わらず熱さが空回り。今回はユウコとの恋愛エピソードも盛り込まれる一方で、その恋愛感情に引っ張られてゴジラへの憎しみがブレる辺りなど、妙に青臭い演出が気になります。

　そして、このシリーズ二作目において、このシリーズは、その狙いとする所を見せ始めました。
　フツアが鱗粉を持ち、彼らが神と崇める怪獣の遺伝子を持つ民族……その怪獣とは勿論、「モスラ」。（フツアは当初、インファントと言う名前だったとか）
　そして、ビルサルドがメカゴジラを開発したと言う事は彼らがブラックホール第三星人。そうすると、エクシフがＸ星人――なので、メトフィエスから密かに告げられた名は、もう決まりでしょう。
　つまり、このシリーズは、未来の地球を舞台にし、「ゴジラ」に始まる東宝怪獣映画シリーズを再構築する、壮大なものだったのです。
　そうなると、最後の決戦をどのように締めくくる事になるのかが楽しみになって来ました。　
　

　（年　月　日　にて）

（作品データ）

　■監督

静野孔文　　瀬下寛之　

　■出演

　ハルオ・サカキ　・・・　宮野真守

　ユウコ・タニ　・・・　花澤香菜

　メトフィエス　・・・　櫻井孝宏

（その他のキャスト）
　梶裕貴　　杉田智和　　諏訪部順一　　小野大輔　　三宅健太　　堀内賢雄　　中井和哉　　山路和弘　

　■コピー

人類最後の希望<メカゴジラ>が、起動する。

　■Ｌｉｎｋ

http://godzilla-anime.com/

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