ＳＴＡＲ
最後のジェダイ
ＷＡＲＳ
これは、「スター・ウォーズ」シリーズの新作で、「エピソード８」となります。
前作監督のＪ・Ｊ・エイブラムスは今回は製作に回り、監督・脚本は「ＬＯＯＰＥＲ／ルーパー」のライアン・ジョンソンが務めています。
共和国を破壊したファースト・オーダーは、その圧倒的な力で銀河を支配しようとしていた。レイア・オーガナ将軍が率いるレジスタンスたちは必死の抵抗を続けていたが、彼らの根拠地が襲われ、多くの犠牲を出して脱出には成功したものの、残存艦艇は帝国軍艦隊の追撃を受ける事になってしまう。
一方、伝説のジェダイ、ルーク・スカイウォーカーを訪ねたレイは、ルークに教えを請うが、ルークはそれを頑として拒否。諦めずにルークに懇願を続けるレイと、カイロ・レンとの間にフォースが結ぶ不思議な絆が生まれ……
新三部作の第一作である前作「フォースの覚醒」では、Ｊ・Ｊ・エイブラムスによる見事な“３０年後のスター・ウォーズ世界”の構築には感心したものの、肝心の物語はエピソード４の焼き直し、と言った趣でいささか残念な印象を受けたのですが、本作は大分印象を変えました。
基本は帝国軍艦隊の襲撃からレジスタンスの残党がどう逃げるか、と言うサスペンスで、それにルークの元でのレイの修行、そしてフィンと新キャラのローズによる秘密作戦も加わって、３つのエピソードを同時に走らせ、それが最後にひとつとなる、その構成もなかなかですし、新キャラに、ドンデン返しを盛り込んだエピソードはてんこ盛り。上映時間２時間半を超える長さもあるのですが、内容と情報量の多さにはすっかりお腹いっぱい、と言う所。終盤に至っては「まだ終わらないのか？」と疲れてしまう程でした。（３Ｄにしなかったのは慧眼でしょう）
また、Ｃ−３ＰＯにレイア姫のメッセージを再生させてルークの奮起を促すとか、最後の決戦の惑星は白い塩の結晶で覆われており、まるで「帝国の逆襲」の冒頭の戦闘シーンのようだ、とかオールドファンをくすぐる部分もあるのも嬉しい。
ただ、物語には粗と言うか欠点も目立ちます。帝国軍・レジスタンス共に作戦は滅茶苦茶ですし、フォースの能力が拡大し過ぎているのはスター・ウォーズファンならずとも首を傾げる事でしょう。そして、前作にも感じた事ですが、人が死に過ぎるのも気になる所。（レジスタンスは最後、ミレニアムファルコンに乗れる程度の人数になってしまいます）
それでも、このエピソード８まで、アナキンに始まるフォースの使い手の親・子・孫と言う“一家の物語”だった「スター・ウォーズ」を、誰しもが持つ“可能性の物語”としたのは、スター・ウォーズサーガの大きな転回点になるように思えます。
思えばアナキンもそうだったように、レイ、そして、カジノの星での 飼いの少年と、フォースは誰の中にもある“可能性”なのか――をれが、孤独をスイッチに覚醒する、と思える辺りがひっかかりますが――もし、そうだとすれば、それこそが銀河をスカイウォーカー一族から解放し、新たな未来を作る力になるかも知れません。
そんな“可能性”を感じさせる展開に、次なるスター・ウォーズサーガの最終章への期待が高まります。
ＰＳ
また、それは誰しもが主人公になれる、としてディズニーが「スター・ウォーズ」を延々と続ける原動力になるかも知れないのですが……
（年 月日 にて）
（作品データ）
■監督
ライアン・ジョンソン
■出演
レイ ・・・ デイジー・リドリー
ルーク・スカイウォーカー ・・・ マーク・ハミル
カイロ・レン ・・・ アダム・ドライバー
レイア・オーガナ ・・・ キャリー・フィッシャー
ポー・ダメロン ・・・ オスカー・アイザック
フィン ・・・ ジョン・ボイエガ
ローズ・ティコ ・・・ ケリー・マリー・トラン
（その他のキャスト）
アンディ・サーキス ルピタ・ニョンゴ ドーナル・グリーソン アンソニー・ダニエルズ グウェンドリン・クリスティ ローラ・ダーン
フランク・オズ ベニチオ・デル・トロ ジミー・ヴィー ビリー・ロード ヨーナス・スオタモ ジャスティン・セロウ
ワーウィック・デイヴィス ジョセフ・ゴードン=レヴィット
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