ジャスティス
リーグ
これは、マーベルの「アベンジャーズ」に相当するＤＣコミックスのヒーロー集結作「ジャスティス・リーグ」の映画版。
この「ジャスティス・リーグ」、クリストファー・ノーランによる「バットマン」三部作に先立って企画されるも頓挫、ノーラン版「バットマン」完結後、ベン・アフレックをバットマンに起用してリブートする事になったものです。
しかも、製作中にザック・スナイダー監督に不幸があって監督を降板するなど不運に見舞われており、これはさすがに何か憑かれているのでは、と……
ドゥームズデイとの戦いによりスーパーマンを喪ってから数ヶ月……バットマンことブルース・ウェインは地球に新たな危機が迫っている事を察知。
新たに盟友となったワンダーウーマンの協力を得て、孤独に戦う超人たちを探し出し、強大な的に立ち向かうチームを組む事を考える。
そうして、超高速移動能力を持つバレリー・アレン（＝フラッシュ）、アトランティス族のアーサー・カリー（＝アクアマン）、全身を機械化されたビクター・ストーン（＝サイボーグ）とチームを結成するが……
この映画、物語としては、「バットマンｖｓスーパーマン」の続編で、むしろ「バットマンｖｓスーパーマン」二部作の後編と言う位置づけの作品であり、超人集結の他、スーパーマンの復活を描くのが大きなテーマ。（予告編からは意図的に隠されているのですが）
しかも、製作途中に主な撮影が終了した所で、ザック・スナイダーが降板。後を継いだのは「アベンジャーズ」のジョス・ウェドンで、クレジット上は脚本となっていますが、脚本だけでなく、追加撮影以降の監督作業をこなしてまとめ上げたようです。
そんな経緯を得て完成した本作ですが、これが思っていたよりもいい。
ザック・スナイダー、カッコいい絵は撮るのですが、話が陰鬱で重苦しい、と言うネックがあります。でも、本作は、撮影後にジョス・ウェドンが引き継いでまとめただけに、ザック・スナイダーならではの絵を「アベンジャーズ」のノリでまとめた、痛快アクションとなっているのです。
ジョス・ウェドン脚本だけに、超人たちの軽口や冗談も楽しく、いがみ合いながらもいざとなれば力を合わせる、と言うのは正に「アベンジャーズ」――なので、全体的に登場人物の精神年齢が下がったような印象がするのですが……
スカウトされたフラッシュが「あんたの能力はなんだ？」とブルース・ウェインに尋ね、
「金持ち！」
と憮然と答えるやりとりにはウケました。
気になったのは、本作、中心となるのはスーパーマンの復活である故、敵役のステッペンウルフは噛ませ犬と言う位置づけで悪役としての魅力に欠ける事。
最後の戦いにしても、スーパーマン（勿論、来るのは判っている訳です）が登場し、“スーパーマン無双”でやっつけてしまう、と言う予想の出来るもので、いささか盛り上がりに欠けるものとなってしまいました。
（ステッペンウルフは神になろうとする者なのに対し、一度死んで、復活したスーパーマンは事実上「神」であり、敵う訳がありません）
活劇としての面白さは向上したとは言え、「アベンジャーズ」と大同小異なものを作っても意味はなく、また、スーパーマンがここまで隔絶的に強くなってしまうと、敵役の設定も難しい……その点で、この続きを作れるのか、と言うのが気になる所。
次作は、レックス・ルーサーＪｒ．が何か仕掛けて来る感じですが、果たして……？
（年 月日 にて）
（作品データ）
■監督
ザック・スナイダー
■出演
ブルース・ウェイン／バットマン ・・・ ベン・アフレック
ダイアナ・プリンス／ワンダーウーマン ・・・ ガル・ガドット
アーサー・カリー／アクアマン ・・・ ジェイソン・モモア
バリー・アレン／フラッシュ ・・・ エズラ・ミラー
ビクター・ストーン／サイボーグ ・・・ レイ・フィッシャー
クラーク・ケント／スーパーマン ・・・ ヘンリー・カヴィル
（その他のキャスト）
エイミー・アダムス ジェレミー・アイアンズ ダイアン・レイン コニー・ニールセン J・K・シモンズ ジョー・マンガニエロ ジェシー・アイゼンバーグ
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