ＧＯＤＺＩＬＬＡ
怪獣惑星
これは、「ゴジラ」シリーズ初の劇場版長編アニメーション映画。
製作は「シドニアの騎士」や「ＢＬＡＭＥ！」のポリゴンピクチャーズ、監督は静野孔文と瀬下寛之。脚本を虚淵玄が務めています。
１９９９年、突如出現した怪獣と、その怪獣をも次々と倒した怪獣王“ゴジラ”により、人類は滅亡の危機に追い込まれた。
そこに来訪した異星人の助けも及ばず、半世紀の戦いの後、２０４８年に至って人類は地球を捨て、恒星間宇宙船アラトラム号で新天地を目指して旅立った。
だが、船内時間２０年の旅路の末に辿り着いた星は人類が生存できる環境ではなかった。
ここに至って、人類は地球に戻る事を決断。両親を殺し、故郷を奪ったゴジラへの復讐に燃える青年ハルオは、独自に研究したゴジラ打倒プランを立案するが……
このアニメ版「ゴジラ」、素直に見ればなかなかよく出来ているのですが、やはりポリゴンピクチャーズのアニメは癖が強く、宇宙船のシーンなど「シドニアの騎士」に見えてしまうのが辛い……ここは、この映画ならではオリジナリティが欲しかったのが正直な所です。
ただ、ＣＧで描かれたゴジラの重量感は悪くなく、これは及第点が出せるでしょう。
物語展開としては、１９９９年の怪獣出現から人類の地球脱出までをさらっと流してしまったのが惜しい……怪獣映画の魅力とは、怪獣が日常の延長にある都市を破壊して行く所にあります。残念ながら、この映画、そんな怪獣映画の魅力を判っていないのではないでしょうか。ここをもう少し尺を取って、怪獣による都市の破壊、ゴジラと他怪獣のバトルを描いた方が「ゴジラ」映画のファンを引き込めたように思えます。
あと、キャラクターとしては、主人公のハルオに魅力がないのが致命傷。あんな感情的に復讐心を剥き出しにする男に、人々がついて行くと言うのも不自然で、それならいっそのこと孤高の天才が孤独な戦いを挑むとした方がまだ絵になります。
また、ヒロインも添え物的で、２１世紀の物語でこれはさすがにないんじゃないか、と思ってしまいました。
クライマックスとなる戦いは、空からの攻撃で牽制し、罠に誘い込んで生き埋めにして動きを止め、弱点を狙い撃つ、と言うもので、「シン・ゴジラ」のヤシオリ作戦と途中まで同じと言うのはいただけないな、と思ってしまいました。
しかも、最期にこう来るとは……三部作、と言うのを聞いていなかったと言うのもあるのだけど、ここは１本の映画として、もう少し話を収めて欲しかった所です。
これで続編は、「ゴジラの逆襲」、そして「ゴジラｖｓメカゴジラ」か……流れと設定からすると、第三作にはモスラが出て来る、と言う感じでしょうか？
（年 月日 にて）
（作品データ）
■監督
静野孔文 瀬下寛之
■出演
ハルオ・サカキ ・・・ 宮野真守
メトフィエス ・・・ 櫻井孝宏
（その他のキャスト）
花澤香菜 梶裕貴 杉田智和 諏訪部順一 小野大輔 三宅健太 堀内賢雄 中井和哉 山路和弘
■コピー
滅びるのは、人か、ゴジラか。
■Ｌｉｎｋ
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