ミックス。
これは、瑛太と新垣結衣のＷ主演によるロマンティック・コメディ。
監督は「エイプリルフールズ」の石川淳一。人気脚本家の古沢良太が脚本を手掛けています。
かつて天才卓球少女として期待された富田多満子は、母の死後、卓球を引退し、現在は普通のＯＬをしていた。
そんな多満子は、恋人で会社の卓球部エース、江島を新人卓球部員の愛莉に寝取られて、逃げるようにして田舎に帰った。
母が運営していた卓球クラブは見る影もなく落ちぶれていたが、多満子は再びラケットを握り、クラブの新入りで元プロボクサーの萩原をパートナーに、江島と愛莉に一泡吹かせるべく全日本選手権への出場を目指すのだが……
この映画、多満子の失恋からの新しい恋物語を描くロマンティック・コメディの形式を取りつつ、人生に躓いたり、足踏みしている大人たちの再生の物語を、卓球と言うスポーツを通して描くもので、その内容は青春・スポ根ものに近いものがあります。
その意味では、この映画、私の好みの内容ではあるのですが……この映画、そんな自分が贔屓目に見ても物語の出来が悪い。
特に、最後の戦いを前にした多満子と萩原のすれ違いから、試合への流れは、相当にあざとい。萩原の元妻との会話の内容を意図的に伏せている当たりもそうですし、江島の心変わりなどは物語展開に合わせているとしか思えない、ご都合主義の最たるもの。劇中の萩原の台詞ではありませんが「ここまで来るとすがすがしい」とさえ言えるもので、古沢良太脚本とは思えない出来でした。
確かに、広末涼子が脇役として確かな存在感を見せた弥生のカミングアウトとか、中華料理店の中国人役の蒼井優の成りきりっぷりとか見所はありますし、練習過程での腕試しの他流試合など、面白い所もあって、退屈はしないのですが……
しかし、そうした映画の弱点をカバーして有り余るのが、現在、その魅力最高潮にあると言っていい新垣結衣の存在。
彼女がコミカルに、時にひたむきに、映画の中で見せる表情に、この映画の価値があると言っていい程で、事実上、ガッキー観ているだけで充分元は取れたと言う感じ。映画としては充分に楽しめました。
（年 月日 にて）
（作品データ）
■監督
石川淳一
■出演
富田多満子 ・・・ 新垣結衣
萩原久 ・・・ 瑛太
江島晃彦 ・・・ 瀬戸康史
小笠原愛莉 ・・・ 永野芽郁
吉岡弥生 ・・・ 広末涼子
水谷隼 ・・・ 本人
石川佳純 ・・・ 本人
（その他のキャスト）
佐野勇斗 森崎博之 蒼井優 山口紗弥加 久間田琳加 鈴木福 谷花音 平澤宏々路 斎藤司
真木よう子 吉田鋼太郎 生瀬勝久 田中美佐子 遠藤憲一 小日向文世 伊藤美誠 吉村真晴
浜本由惟 木造勇人
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