銀魂
これは、空知英秋の同題の人気コミックを、コメディ映画を得意とする福田雄一監督が実写映画化したもの。
今年、ワーナー・ブラザーズが日本向けに連発する人気漫画原作の実写版映画、これがその第一弾です。
天人（あまんと）と呼ばれる宇宙人来訪により江戸幕府が屈し、開国してより数十年……江戸の町には高層ビルが建ち並び、宇宙船が行き交うようになっていた。
剣術道場の跡取りとして生まれた志村新八は、廃刀令により剣の道を進む事を断念、生きる気力を失っていたが、バイト先に客としてやってきた凄腕の浪人、坂田銀時が未だ抱く侍魂に惹かれ、銀時が営む万事屋で働き始める。
ある日、銀時の旧友である桂小太郎が辻斬りに襲われた後、失踪した事件を追うことになった万事屋は……
この映画、出演者がえらく豪華。
主演は小栗旬ですが、もう主役級がごろごろしていますし、ヒロインの橋本環奈など、欠点の短軀で寸胴なのを強調するような衣装（しかも、菜々緒と絡ませると言う“公開処刑”的な演出）に、変顔の連発で、よくもまぁ、こんな役を了解したものと思います。また、久々に映画に引っ張り出した堂本剛もファンには見逃せないでしょう。
一方、物語の方は、なるほど、これは面白い。原作コミックは未読ですが、それも支障にならない程度に説明されますし、本題に入る前のサイドストーリーで、数多い登場人物を手際よく紹介するやり方も冴えています。
内容としては、ギャグのてんこ盛り、と言う感じ。開始早々、映画会社のオープニングを自虐ギャグでいじり、橋本環奈をいじりまくり、有名作品も構わずネタにするパロディはもうギリギリのレベルで、ワーナーブラザーズと言うハリウッドメジャーが、よくもまあここまでやる事を認めたものだ、と感心させられます。
とにかく、劇場内でこれだけ笑いが起きる映画も久しぶりですし、辺り構わず（と言うか周りもそうなので）声上げて笑ってしまったのも久しぶりです――もっとも、ギャクのなかには、しつこい・笑えないと言う内容も少なくないのですが……
それでいて、時代劇ならではのチャンバラシーンもたっぷり……勿論、それもネタのひとつであったりするのですが、迫力ある見せ場もあり、最後はなかなかシリアスに決めています。
映画としてはチープに感じられる部分も多いですが、その分、豪華な出演者で帳消しにしており、映画を観た、と言う満足感は確かなもの。
とかく、あれこれ言われ勝ちなマンガ原作の実写化映画ですが、脱力ものの駄作にして笑われるくらいなら、最初っから笑わせた方が遥かにいい。それで原作をチョイスし、出来上がったのがこの映画だと言うなら、これはこれでアリではないでしょうか。
（年 月日 にて）
（作品データ）
■監督
福田雄一
■出演
坂田銀時 ・・・ 小栗旬
志村新八 ・・・ 菅田将暉
神楽 ・・・ 橋本環奈
桂小太郎 ・・・ 岡田将生
エリザベス ・・・ 山田孝之
高杉晋助 ・・・ 堂本剛
近藤勲 ・・・ 中村勘九郎
土方十四郎 ・・・ 柳楽優弥
沖田総悟 ・・・ 吉沢亮
（その他のキャスト）
新井浩文 早見あかり ムロツヨシ 長澤まさみ 佐藤二朗 菜々緒 安田顕
■コピー
宇宙一バカな侍だ、コノヤロー!!
■Ｌｉｎｋ
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