宇宙戦艦ヤマト２２０２ 愛の戦士たち
第二章 発進篇
これは、「宇宙戦艦ヤマト」をリメイクした「宇宙戦艦ヤマト２１９９」の続編で、ＴＶシリーズ「宇宙戦艦ヤマト 〜愛の戦士たち」のリメイクに相当する連作ドラマを映画版に再編集したシリーズの第二弾。
ヤマトが持ち帰ったコスモリバース・システムによって急速な復興を遂げた地球。
しかし、その裏には重大な秘密があることを、古代はガミラス大使から知らされる。そして、テレサからのメッセージに応えることを決意した彼は、真田らと共に再びヤマトに乗り込むが……
かつて「さらば宇宙戦艦ヤマト」を観た時の違和感――人類滅亡の絶体絶命の危機に追い込まれてから僅か２年の急速な復興……それは東日本震災を経験、復興と言うものが遅々として進まないものである、と言う現実を目の当たりにした日本人としては決定的なものになる筈ですが、本作では、そこに時間の流れが異なる「次元断層」と言う概念を導入。その中で３０年分の生産を行ったと言う説明をつけると共に、波動エネルギーの別の側面を見せて行く、と言う辺りは、センス・オブ・ワンダーを感じさせられました。
そんな波動エネルギーの光と闇を見せ、その強大な力に向き合う人々の葛藤を描くのは、立派にＳＦしている、と感心しました。
それにしても、滅亡寸前まで追い込まれながらも、それでも再び軍備を整えよう、戦いに備えよう、と言うのは人間と言う生き物の性なのか、そして、そんな所が気になってしまうのは、平和ボケの日本人ならではなのか……そんな所も考えさせられますし、独裁からの解放者であるヤマトがかつての敵でありながら、ガミラスの子供たちにまで英雄視されていると言うのは如何なものか、とも思いました。
それでも第１１番惑星の危機に駆けつけるヤマトの雄姿には感動してしまうのだから、それも虫のよい話ですが。
元々ＴＶシリーズ用に作られた内容を映画に再編集しているため、物語の流れなど、すっきりしない部分はありますが、SFとしての見応えに加え人間ドラマも更に深化した、新たなヤマトの旅路の行く先は気になります。
（年 月 日 にて）
（作品データ）
■監督
羽原信義
■出演
古代進 ・・・ 小野大輔
森雪 ・・・ 桑島法子
（その他のキャスト）
鈴村健一 大塚芳忠 赤羽根健治 國分和人 千葉優輝 麦人 森谷里美 チョー 千葉繁
甲斐田裕子 細谷佳正 田中理恵 平川大輔 東地宏樹 雨谷和砂 菅生隆之 石塚運昇
てらそままさき 神谷浩史 手塚秀彰 柴田秀勝 小島敏彦
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