２２年目の告白
-私が殺人犯です-
これは韓国映画「殺人の告白」を藤原竜也主演でリメイクした、サスペンスミステリー。
１９９６年、阪神淡路大震災の年に発生した６件の連続殺人事件。当時、担当刑事として犯人を目前にしながらも取り逃がした牧村は、２２年後、時効の日を迎えた。
その時効の日、曾根崎雅人と名乗る男が自分が犯人だと名乗り出て告白本の出版を発表、世間の注目を集めて……
日本では２０１３年に公開された「殺人の告白」（残念ながら未見）は、大きな注目を集めることのなかった映画ですが、それのリメイクだと言う本作はなかなか見事な出来映えとなっています。
オリジナルではいかにも韓国映画らしくドラマにミステリーに加え、アクションもてんこ盛りだったそうですが、この映画ではアクションシーンは最小限に削り、その分、実力派俳優を揃えて芝居をじっくりと見せる、と言うスタイル。これが功を奏して、先の読めない展開と謎解きを見応えのある芝居で見せる、日本ならではのエンターテイメント作品に仕立て直されています。
監督の入江悠は、「ジョーカー・ゲーム」とは別人のような腕の冴えを見せており、これは見直しました。
主演の藤原竜也は彼の実力からすれば当然かも知れませんが、殺人犯の男を不気味にミステリアスに演じてみせますし、牧村刑事役の伊藤英明も彼のキャラクターからすると意外な一面を見せます。また、これに仲村トヲルを加えた３人の演技合戦となる中盤以降（特にＴＶ討論会のやりとりは圧巻）は大変見応えのある内容となっています。
冒頭から謎解きの解となるピースを散りばめ、伏線を張り、描かれない描写などでフックを作り、それがクライマックスの謎解きに向けて明かされていくのも心地よいですし、時効を楯にしていた犯人が、最後、その時効によって裁かれる事になる、と言うオチにも納得が出来ます。
確かに、ミステリーとしては粗い部分もあり、真犯人解明の辺りの描写も物足りなくはありますが、エンターテイメント作品としては些細な問題で、とにかく面白い。
これは満足の一本でした。
（年 月日 にて）
（作品データ）
■監督
入江悠
■出演
曾根崎雅人 ・・・ 藤原竜也
牧村航 ・・・ 伊藤英明
（その他のキャスト）
夏帆 野村周平 石橋杏奈 竜星涼 早乙女太一 平田満
岩松了 岩城滉一 仲村トオル
■コピー
すべての国民が、この男に狂わされる。
■Ｌｉｎｋ
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