赤毛のアン
Anne of Green Gables
これは世界中に多くのファンを持つ名作、Ｌ・Ｍ・モンゴメリの「赤毛のアン」を実写化したカナダ映画。
プリンス・エドワード島で農場を営むマシュウとマリラの兄妹は、働き手として男の子を養子に迎えることにする。
ところが、やってきたのはアンと言う赤毛の女の子。空想好きでおしゃべりなアンは、駅まで迎えに来たマシュウの馬車の上でも、美しい風景に大喜びし、ひとりしゃべり続けるのだった。
「話が違う」と怒るマリラに、アンは自分が孤児院に送り返されると知って悲嘆に暮れるが……
この映画は、昨年カナダで放送されたＴＶ映画。（好評だったようで既に第三作目が製作中とのことです）
原作に含まれる多くのエピソードを盛り込みつつ、プリンス・エドワート島の四季を９０分で紹介するだけに、内容としては慌ただしく、一部のエピソードは尻切れトンボになっているのは物足りませんが、それでも、キラキラと輝くような島の風景は美しく、映像については「赤毛のアン」の完全実写化として文句なし。多くのファンが思い描いたであろう物語世界が映し出されている事に納得するでしょう。
これは、出版から１００余年に渡って愛され続ける名作の魅力を紹介、ファン層を拡大するだけでなく、カナダの観光案内としても十分以上の内容。それが、このＴＶ映画を海外展開したカナダの狙いでしょうか？
アンを演じるエラ・バレンタインは、そばかすが薄いのが物足りなくはあるものの、アンを演じる為にオーディションで選び抜かれただけに、これまた様になっています。
空想癖があるおしゃべり好きのアンは、妄想に耽って人の話を聞かず、ひたすらしゃべりまくるので、当初はうざく思えたほど。 それでも、美しい田園風景の中、溢れんばかりの好奇心と生のエネルギーに満ちたアンの表情と立ち振る舞いに徐々に魅せれ、物語が終盤を迎える頃には彼女をすっかり愛しく思えるようになっているのが、名作の名作たる所か……マリラの翻意と、幸せなラストシーンは当然判ってはいたのですが、これには思わず涙してしまいました。
（年 月日 にて）
（作品データ）
■監督
ジョン・ケント・ハリソン
■出演
アン・シャーリー ・・・ エラ・バレンタイン
マリラ・クスバート ・・・ サラ・ボッツフォード
マシュウ・クスバート ・・・ マーティン・シーン
（その他のキャスト）
ジュリア・ラロンド ドリュー・ヘイタオグルー ステファニー・キンバー カイル・ゲイトハウス リンダ・カッシュ タニス・バーネット
■コピー
持っているのは、豊かな想像力。
■Ｌｉｎｋ
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