| ＰＡＲＫＳ パークス |
これは、今年の５月に開園１００周年を迎える東京・井の頭公園を舞台とした青春群像劇。
監督・脚本は「嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん」の瀬田なつき。主演は、橋本愛。
井の頭公園の傍らに建つアパートに暮らす大学生、純。
恋人と別れ、大学からは留年の通知が届く……と、最近、上手く行かない事ばかりの純が部屋から公園を見ていると、その姿を目に止めた見知らぬ女子高生が部屋に乗り込んで来た。
彼女の名はハル。亡くなった父親の事を調べていると言う彼女は、父の遺品の中にあったかつての恋人の写真を手がかりに井の頭公園までやって来たのだった……
この映画、内容的には地域限定の所謂“ご当地映画”の類いの、低予算のインディーズ系作品なのですが、主演俳優が妙に豪華。
橋本愛に染谷将太、と来たら、これは「寄生獣」のキャストじゃないか……
まぁ、橋本愛の出演作品選びはマニアックですが、染谷将太もまた大したもの。彼は、映画と音楽が、本当に好きなんだろうなぁ……
そんな橋本愛ですが、かつての謎めいた美少女っぷりは薄れたものの、等身大の女子大生を自然体に演じて好印象。独習したと言うギターの弾き語りもなかなかでしたが、惜しいのは歌唱シーンでの声がちょっと弱いこと。これでちゃんと歌えれば、「はじまりの歌」のキーラ・ナイトレイにも匹敵する存在感を出せたのでは、と思うだけに残念でした。
（それにしても、橋本愛、鼻は鷲鼻だし、頬骨は高いし、顎は尖って突き出してるし、年をとったら魔女みたいな顔立ちになるのではないだろうか、と思ったり……）
肝心の物語ですが、これは今ひとつの印象。
現在の大学生と高校生が親世代の青春を追い、発掘した音楽が波紋を広げて行く……と言う物語のアイデアはよいとしても、音楽のセンスとか、ハルが父親の事を調べているのが小説を書く為だとか、そうした設定自体まで’７０年代風味になっているのはいただけません。
染谷将太がラップを歌ってみせたり、そうした今風の演出もあるし、オープンリールのテープに記録された当時の音楽を蘇らせ、自分たちの歌にしていくと言う、もの作りの面白さもあって、ラストの音楽シーンはなかなか素晴らしいものがあるのだけど、そこに辿り着くまでの展開ももやもやした感じで、この辺りは、もっとすっきり、気持ちよくして欲しかったなぁ、と思ってしまいました。
（２０１７年 ５月４日 シネマジャック＆ベティにて）
（作品データ）
■監督・脚本
瀬田なつき
■出演
吉永純 ・・・ 橋本愛
木下ハル ・・・ 永野芽郁
小田倉トキオ ・・・ 染谷将太
（その他のキャスト）
石橋静河 森岡龍 佐野史郎 柾木玲弥 長尾寧音 岡部尚 米本来輝
黒田大輔 嶺豪一 原扶貴子 斉藤陽一郎 麻田浩 谷口雄 池上加奈恵
吉木諒祐 井手健介 澤部渡 北里彰久 夏目知幸 菅原慎一 藤村頼正
大塚智之 高田漣
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君と、歌いたい曲がある。
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