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これは、舞台化もされた古屋兎丸の同題コミックを、「溺れるナイフ」の菅田将暉主演で実写映画化したもの。
監督は「ジャッジ！」の永井聡。
日本一の名門校・海帝高校。
赤場帝一はある野望を胸にこのエリート校に入学した。帝一の夢は、総理大臣になり自分の国を作ること。
政財界の実力者を多く輩出した海帝高校の生徒会長になれば将来の内閣入りが確約されると言われており、帝一は何が何でも生徒会長になると決めている。その野望の実現のためにはどんな汚いことも辞さない覚悟の帝一だったが……
この映画、お気軽学園コメディかと思いきや、男子校の生徒会選挙を、現実の政治をカリカチュアライズして描くものとなっています。
そこで描かれるのは、政治と選挙の裏側。その主張を以て戦うと言うより、権謀策術渦巻く闘争です。
派閥作りに始まって、根回しに裏工作、そして買収……でも、金を使うものは金に裏切られるし、人脈と人望――信頼を勝ち取るのが如何に難しい事か、と言う事を教訓的に描きます。
そして、時に引き、あるいは負けても大局で勝つ、と言う戦略眼……勿論、マンガ的な荒唐無稽さはあるにせよ、描かれている事は政治的なかけひきそのもので、これを誰にでも判るように描くと共に娯楽作としてまとめる力量はなかなかのものと思いました。
出演者は、最近出演作の相次ぐ大人気の若手、菅田将暉で、全篇ハイテンションの振り切った演技を見せています。
ライバル・東郷を演じた野村周平も、性格の悪い敵役を嬉々として演じていますし、その他にも人気のイケメン俳優を揃え、紅一点の永野芽郁を除けば男ばっかり。
そんなイケメン揃いが褌ひとつで太鼓を打ちつつじゃれ合う、と言うサービスシーン（？）などもあり、一見、婦女子向けと思われるかもしれませんが、そのテンション高めの演技に、政治――いや、地位と権力と言うものに、ここまで夢中になる男と言う生き物の愚かさを見せつける、と言う一面もあり、これは予想以上に見応えのある映画でした。
（２０１７年 ５月４日 ムービルにて）
（作品データ）
■監督
永井聡
■出演
赤場帝一 ・・・ 菅田将暉
東郷菊馬 ・・・ 野村周平
白鳥美美子 ・・・ 永野芽郁
赤場譲介 ・・・ 吉田鋼太郎
（その他のキャスト）
竹内涼真 間宮祥太朗 志尊淳 千葉雄大 鈴木勝大 萩原利久 岡山天音?
三河悠冴 井之脇海 木村了 榎木孝明 山路和弘 真飛聖 中村育二?
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野心が、とまらない!!
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