| キングコング 髑髏島の巨神 |
これは、怪獣映画を得意とするレジェンドリー・ピクチャーズによる「キングコング」のリメイク。
ベトナム戦争が終了した１９７３年、特務機関モナークのランダは、衛星写真によって発見された南太平洋の新島“髑髏島”の調査を政府に認めさせる。
この調査には、隠された秘密の目的があった。
ベトナム帰りの米陸軍のヘリコプター部隊を同行、更に元ＳＡＳの傭兵コンラッドを護衛につけるなど、学術調査としては余りに重武装な彼らは、雷雲に隠された孤島、髑髏島へヘリコプターで向かうのだが……
レジェンドリー・ピクチャーズは中国資本に買収され、その豊富な資金力により、その得意とする怪獣モノの特撮ＳＦを次々に企画しています。
あの「パシフィック・リム」も続編が製作に入っているそうですし、この「キングコング」にしても次作で「ゴジラ対キングコング」の日米怪獣対決を行い、更に、キングギドラを迎え撃つ「怪獣総進撃」のリメイクも考えられているようです。
（これらはエンドロールでも示唆されています）
豊富な資金力を示すかのように、内容はＢ級なれど、ブロックバスター級作品並の派手な絵作りに豪華キャスト。そして、売り出し中の中国人女優、ジン・ティエインを起用している辺りでお金の出所が知れようと言うものです。
そんな豊富な資金力で映画化された本作ですが、内容としてはＢ級で、ツッコミ所満載。
貨物船にはヘリが４〜５機しか載っていなかったのに、島に向かうヘリが１０機以上いるとか、そのヘリがコングとの戦闘で、手の届く範囲内を飛んでいて次々墜とされるなど、深く考えなくとも「？」となる描写が連発され、ここまで来ると、コングが何を食べているのか、島の生態系はどうなっているのか、と言うのを問うのも馬鹿らしく思えてくるレベルです。
名作「キングコング」を生涯の目標として渾身のリメイクを行ったピーター・ジャクソンの「キングコング」には到底及ばず むしろ怒り出すんじゃないか、と思うような出来ですが、本作を監督した新鋭ジョーダン・ヴォート＝ロバーツは自他共に認めるオタクだそうで、趣味全開で、ツッコミ所以上の見所満載にして来るのですから油断出来ません。
前半は、コングｖｓヘリ部隊との戦いに始まる人間ｖｓ怪獣の戦い……と言うよりも、怪獣からのサバイバルを描き、後半はコングｖｓスカル・クローラーの怪獣バトル。そこにサミュエル・Ｌ・ジャクソン演じるパッカード大佐が割って入り、コングｖｓサミュエル・Ｌ・ジャクソンの様相を見せて行く、と言う展開。
リメイクながらオリジナルの展開にこだわらず、舞台を髑髏島内に限定し、息も継がせぬ怪獣バトルの連続で押し切ったのも潔く、「怪獣映画」としては、これはこれでありでしょう。
ＰＳ
この映画では、コングの宿敵、スカル・クローラーは地下の裂け目の異次元との通路から来ました。
（コングはその異次元からの侵略者を防ぐ“守護神”として島にいました）
これは「パシフィック・リム」の設定と似ています……ひょっとして、ですが、１９７３年、コングは髑髏島でスカル・クローラーと戦い、そして、この後は、現代を舞台にゴジラと共にキングギドラと戦う……その先には未来を舞台に「パシフック・リム」世界にコングとゴジラが参戦して、レジェンドリーの“怪獣アベンジャーズ”を企画しているんじゃないだろうな……？
（年 月日 にて）
（作品データ）
■監督
ジョーダン・ヴォート＝ロバーツ
■出演
ジェイムズ・コンラッド ・・・ トム・ヒドルストン
メイソン・ウィーバー ・・・ ブリー・ラーソン
ブレストン・パッカード ・・・ サミュエル・L・ジャクソン
ビル・ランダ ・・・ ジョン・グッドマン
（その他のキャスト）
ジン・ティエン トビー・ケベル ジョン・オーティス コーリー・ホーキンズ ジェイソン・ミッチェル シェー・ウィガム
トーマス・マン テリー・ノタリー ジョン・C・ライリー ユージン・コルデロ スティーヴ・ウッドワード リチャード・ジェンキンス
ＭＩＹＡＶＩ
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人類よ、立ち向かうな。
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