| モアナと伝説の海 |
これは、南太平洋・ポリネシアの島々に伝わる神話をモチーフとしたディズニーの長編アニメーション映画。
島の古老が語る神話によると、遠い遠い昔、あらゆる生命の女神テ・フィティの心が、半神半人の英雄マウイに盗み出されたのだと言う。世界には闇が生まれ、マウイは火山の悪魔テ・カァと戦ってテ・フィティの心を海に落としてしまう。そして世界には光と闇、生と死が生まれたのだ……
島の族長の娘モアナは海に愛された少女だった。だが、父は彼女が海に出ることを決して許さなかった。
やがて、モアナが美しく成長した頃、世界に広がる闇が、モアナたちの島を呑み込もうとしていた。島では魚が捕れず、ココナッツも病気で枯れていく。
世界を元に戻すには、マウイを探しテ・フィティの心を返すしかない――そして、世界を救うモアナの旅が始まった……
この映画、ポリネシアの伝承神話を元にしていますが、ポリネシア文化や、神話世界のモチーフは、ほぼマウイに集中。
モアナを巡る物語としては、やや過保護にも見える父親の庇護下から抜け出して、自分自身の生き方を探し求める少女の姿を描く普遍的な成長物語となっています。
父親との確執を乗り越え、旅立ちと冒険、最期は自らの人生を歩み出す、と言う物語を、音楽に乗せたミュージカル仕立てで描くと言うそれは、世界の何処でも通用するものに仕立て直されており、この辺りはさすがディズニーと言う所。
ただ、モアナのキャラクター、振る舞いなどが、いかにもなアメリカン・ガールとなっているのはちょっと気になりましたが……
また、２１世紀に入ってからのディズニー映画にありがちで、本作において顕著なのはロマンスの欠如。
この映画については、恋愛要素は皆無で、モアナの動機と言うのは、世界を救い、自分の生きたい人生を生きる、と言うものになっているのです。
また、本作はかなり本格的なミュージカルとなっており、登場人物ごとにテーマ曲が与えられ、使用される楽曲もかなり多いものとなっています。
マウイを演じているのは、ザ・ロックことドウェイン・ジョンソンなのですが、彼もまた見事なミュージカルシーンを演じているのには驚きました。
見事な海の描写に、これまた見事なアニメーション、ポリネシアン音楽の要素を盛り込んだ楽曲も魅力的で、なかなか文句のつけようがない１本。さすがはディズニーと言う所でしょうか。
（年 月日 にて）
（作品データ）
■監督
ジョン・マスカー, ロン・クレメンツ
■出演
モアナ ・・・ アウリイ・カルヴァーリョ
マウイ ・・・ ドウェイン・ジョンソン
（その他のキャスト）
レイチェル・ハウス ジェマイン・クレメント テムエラ・モリソン ニコール・シャージンガー アラン・テュディック
■コピー
海に選ばれた少女――彼女の名は、モアナ。
■Ｌｉｎｋ
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