ボヤージュ・オブ・タイム
これは、奇才、テレンス・マリックが監督したドキュメンタリー映画です。
この世界に溢れる生命――この映画は、その命を営みを見つめる。
その視点は地上に限らず、海の中から地の果て、更に時を超えて宇宙開闢まで遡り、星々の誕生から銀河の形成、地球誕生から、我々に繋がる命を流れを追いかけていく……
美しい映像をバックにナレーションが語りかけ、ＢＧＭにクラシック音楽が引用されるというスタイルは、テレンス・マリック監督作品としてお馴染みのスタイル。
自然の風景ばかりでなく、時にＣＧや俳優の芝居も含まれるその内容は、ドキュメンタリー映画の様式を取りつつ、その実、映像詩に近いものとなっています。
明確なストーリーがなく、ケイト・ブランシェットの語る内容も、映像解説と言うよりも、散文的なものとなっているのが、その印象を補強します。
確かに、テレンス・マリック監督作品は、多かれ少なかれそうした部分を含むものですが、この映画は、ほぼ全編が散文的で、全編を通してひとつの詩となっているように感じました。
ただし、この映画、自分としてはかなり退屈に感じました。
美しい映像が流れるのですが、テレンス・マリック監督ならではの部分は少なく、ＢＢＣのネイチュアドキュメンタリーで観たような映像も散見されたのは残念ですし、テーマ的にも「ツリー・オブ・ライフ」の焼き直しに過ぎないのでは、と思えてしまいました。もっとも、命とは生と死の連鎖であり、宇宙もまた熱死の果てに再生するとする、壮大なる事例で輪廻思想を語るのには関心しましたが、それさえも仏教徒である自分にはインパクト大きいものではなく、いささか物足りないものであったのが正直な所です。
（年 月日 にて）
（作品データ）
■監督
テレンス・マリック
■出演
ナレーション ・・・ ケイト・ブランシェット
■コピー
本能と、出会う。90分 未踏の映画体験
■Ｌｉｎｋ
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