ザ・コンサルタント
これは、ベン・アフレック主演のアクション・サスペンス。
監督は、「ジェーン」のギャビン・オコナー。
田舎町で小さな会計事務所を構えるクリスチャン・ウルフには、裏の顔がある。彼はマフィアなど犯罪組織のマネーロンダリングを行う、闇会計士でもあったのだ。
偶には真っ当な仕事をしろとのアシスタントの勧めで大手企業リビング・ロボ社の財務調査の仕事を引き受けたクリスチャンは、同社の経理担当デイナの協力を得て、一夜にして不正を見抜く。
だが、財務担当役員の自殺により、調査打ち切りを告げられてしまうのだった。
その頃、財務省のメディナ分析官は、敏腕を以て知られるキング長官からの特命を受けて犯罪組織のコンサルタントを務める謎の“会計士”を調べ始め……
ぼんやりとした印象で瞳に覇気がないベン・アフレックですが、本作の“会計士”と言う役はなかなかのハマリ役、と思いました。
軍人である父親に育てられた自閉症児、と言う設定が、マッチョな肉体にぼんやりした表情と言う個性に合致し、その設定を活かす物語も、自ら監督までこなすベン・アフレックが好みそうな凝ったもの。
自閉症による異常なまでの完全主義が、“仕事”をやり遂げるまで終えられない、と言う行動理由付けになるのも面白い所です。
そんな本作でヒロインとなるのはデイナ役のアナ・ケンドリックですが……彼女、段々顔立ちの癖が強くなって美人顔から外れていくのが気になります。むしろ、メディナ役のシンシア・アダイ＝ロビンソンの方が美人で存在感もあり、当初、ロザリオ・ドーソンがこんな役で？と思ったほどです。
物語はかなり凝っており、しかも、内容盛り沢山。それ故に、描写が不十分に感じられる部分があり、見ようによっては中途半端にも思える出来。特に、デイナの扱い、特にその数学的才能に関しての描写がおざなりなのが気になりましたし、こんな描写ならむしろ彼女の存在自体不要だったような気も……
それにしても、観客の予想の巧みにひっくり返しつつ、パズルのピースがはまって行くように収斂していく物語展開はさすがの上手さ。
シリーズ化を狙うのが見え見えの仕掛けではありますが、これはちょっと期待出来そうな感じです。
ただ、気になるのは物語がちょっとこじんまりと収まっている事で、このクラスの出演者を揃えてシリーズ化出来るのか、と疑問を覚えてしまいました。
（年 月日 にて）
（作品データ）
■監督／製作総指揮
ギャビン・オコナー
■出演
クリスチャン・ウルフ ・・・ ベン・アフレック
デイナ・カミングス ・・・ アナ・ケンドリック
レイモンド・キング ・・・ Ｊ・Ｋ・シモンズ
メリーベス・メディア ・・・ シンシア・アダイ=ロビンソン
（その他のキャスト）
ジョン・バーンサル ジェフリー・タンバー ジーン・スマート ジョン・リスゴウ アンディ・アンバーガー アリソン・ライト
ジェイソン・デイヴィス ロバート・C・トレヴァイラー メアリー・クラフト
■コピー
職業、会計コンサルタント。 本業、腕利きの殺し屋。
■Ｌｉｎｋ
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