ピートと秘密の友達
これは、１９７７年のディズニー映画「ピートとドラゴン」（日本未公開）をリメイクしたもの。
事故で両親を失い、それから６年間、森の中で暮らして来た少年ピート。ピートには、友であり保護者のエリオットがいた。エリオットは緑色のドラゴンで、彼もまたこの森でひとり暮らしていたのだった。
ある日、ピートは森の中で森林保護官の女性、グレースと出会う。
グレースに母の記憶を呼び起こされ、人恋しさに山を下りたピートは、同じ年頃の少女、ナタリーに見つかってしまい……
「ピートとドラゴン」ではピートは孤児の少年でしたが、本作のピートは森の中でエリオットと名付けたドラゴンに育てられており、冒頭の描写は殆ど「ジャングルブック」のようになっています。
また、ドラゴンと言うと爬虫類的なイメージですが、本作に登場するドラゴン、エリオットは長い毛に包まれた、羽根の生えた巨大な犬と言う印象。毛に包まれたドラゴン、と言うと「ネバー・エンディング・ストーリー」のファルコンもそうですが……子供向けには大きな犬とした方が親しみやすいと言う考えなのか、あるいはぬいぐるみへのし易さの為でしょうか？
物語としては、ひとりぼっちのピートとエリオットが、それぞれ人は人、ドラゴンはドラゴンの世界に戻って行く、と言うもので、いかにも子供向けらしく物語はシンプルではありますが、さすがはディズニーだけに、なかなか感動的に仕立てています。また、低年齢の子供もついて来られるよう、ゆったりしたテンポにしているのも子供向けらしいものです。
ただ、疑問を感じたのは、グレイスやナタリー、人間側の人物配置がやや難解な事（グレイスの婚約者のジャックはバツイチで連れ子のナタリーがいる）で、この辺り、子供は混乱しないかな？と思ったのと、いかに子供向けとは言え、展開がちょっとおざなりに感じてしまった事――この辺り、例えばスピルバーグなら視点はあくまで子供目線に置いても、描かれる内容はあくまでハードに、リアリティを持たせて行うものですが――物語のテーマ的には悪くないし、ロバート・レッドフォードを始め豪華なキャストを揃えているのですから、こうした部分をきっちり詰めると大人も楽しめるものとなったように思いました。
（２０１７年 １月 ５日 ＴＯＨＯシネマズシャンテにて）
（作品データ）
■監督
デビッド・ロウリー
■出演
ピート ・・・ オークス・フェグリー
グレース ・・・ ブライス・ダラス・ハワード
ナタリー ・・・ ウーナ・ローレンス
（その他のキャスト）
ウェス・ベントレー カール・アーバン ロバート・レッドフォード
■コピー
“彼”と友達になるための３つの約束
名前をつけてあげること
不思議な力を隠すこと
絶対に守り抜くこと
■Ｌｉｎｋ
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