メカニック
ワールドミッション

　これは、ジェイソン・ステイサム主演、精密機械のような完璧に仕事ぶりから“メカニック”と呼ばれた殺し屋・ビショップを主人公にしたアクション作の続編。

　自らの死を装って殺し屋稼業から足を洗ったビショップは、リオデジャネイロで穏やかな日々を過ごしていた。
　ある日、彼の前に宿敵クレインの手下が現れ、３人の殺しを依頼。それを断ったビショップは、襲撃を受ける羽目になる。
　根城を追っ手ごと吹き飛ばして逆襲したビショップは、タイのビーチに潜むが、そこで暴行を受けていた美女、ジーナの危機を救った彼は……

　登場するのはタフガイと美女と悪党、そしてやることと言ったら、殺しに銃撃戦に肉弾戦に大爆破、と言ういささか時代錯誤なアクション映画ですが、それを成立させられるのは、やはり、ステイサムの存在感。もう、次の「００７」はステイサムでいいんじゃないか、と思える程のハマリっぷりです。
　その存在感をリオデジャネイロで見せ、タイのビーチでロマンスを、本来の“メカニック”らしさを見せる“仕事”っぷり。
　大胆にして繊細、頭脳プレイと肉弾戦を両立出来る、数少ない存在がステイサムだと言う事を見せつけます。
　あと、飛び込みシーンは、さすが元五輪選手と言う見事なものでした。

　ヒロインのジーナはジェシカ・アルバ。ロマンスだけでなく、アクションでも見せ場を作るのはいかにもこの映画らしい所。
　その一方で、サブヒロイン相当にミシェル・ヨーを起用しながら、彼女のアクションシーンがないのはちょっと勿体ないのでは？

　気になったのは、ビショップにクレインの仕事を受けさせる理由となるジーナのいきさつが少しまだるっこしい。この辺り、もっとシンプルに潜伏中のビショップと交際していた彼女が攫われた、でよかったんじゃないか、と思ってしまいました……この説明と、ロマンスに時間を食われるせいで、どうも序盤のストーリー展開がもたつく感があるのです。
　そして、その影響か、最後の仕事の段取りの時間がなく、仕事自体も端折られているのが残念……それまでの仕事で、計画と下準備、その仕掛けもしっかり描いていたのに、クライマックスのアクションでの仕事っぷりが端折られているのではどうにも物足りません。
　また、中盤以降、物語に整合がつかない（シドニー沖から東欧までクルーザーが数日で移動していたり、北欧の潜水艦基地から潜水して脱出した先が南国のビーチだとか……）描写があったのも残念な所。
　決して脳筋なだけでない、頭脳プレイを盛り込む本作なのですから、映画の作りの方にももう少し頭を使って欲しい所です。
　

　（年　月日　にて）

（作品データ）

　■監督

デニス・ガンゼル　

　■出演

　ビショップ　・・・　ジェイソン・ステイサム

　ジーナ　・・・　ジェシカ・アルバ

（その他のキャスト）
　トミー・リー・ジョーンズ　　ミシェル・ヨー　　サム・ヘイゼルダイン　　ジョン・セナティエンポ　　ラータ・ポーガム
　ヴィタヤ・パンスリンガム

　■コピー

“完璧な殺し屋<メカニック>”伝説の完璧な“最後”　

　■Ｌｉｎｋ

http://mechanic-movie.com/　

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