ゴーストバスターズ
これは１９８４年に公開され、世界的に大ヒットしたコメディアクション映画「ゴーストバスターズ」をリメイクしたもの。
今回、主役のゴーストバスターズの４人組を女性にした、と言うのが特色です。
ニューヨークのコロンビア大学で教鞭を執る素粒子物理学博士のエリンは、以前、研究パートナーだったアビーと共同執筆した幽霊研究本が今も売られていることを知る。
そんな過去が大学にバレれることを恐れたエリンは、三流大学で心霊研究を続けているアビーの研究室を訪ねる。
アビーは新たな助手と共に研究を本格化させており、ゴースト（幽霊）の存在を証明するために、実際にゴーストが出た、と言う古い屋敷にエリンを連れて行き……
これは人気シリーズのリメイク第一作としてまずまずの出来映え。
ゴーストは、進歩したＣＧ技術によりリアリティと迫力を増し、平凡な日常には居場所のない彼女らが集い、協力して一丸となっていく辺りの展開は、定石通りとは言え心躍ります。
かつてのチープな道具立ての手作り感を残しつつアップデートを果たした、バスターズの装備類も楽しく、ゴーストバスターズの旗揚げとなったロックコンサート会場でのゴースト退治のくだりは面白い。
バスターズを演じる女性陣は、エリン役のクリスティン・ウィグの他は、日本での知名度は高くありませんが、いずれも本国では名うてのコメディエンヌたち。手慣れた掛け合いも楽しいのですが……冒頭、人物紹介としてやるのはともかく、物語が動き出してからも延々と続くのにはうんざりもさせられました――まぁ、その辺りもアメリカ流でしょうか。
また、ゴーストバスターズ事務所の秘書を務める、クリス・ヘムズワース演じるケヴィン。これが見事に、かつてのアメリカ映画が描いて来たヒロインの反転像になっているのも見逃せません。
見た目は文句なしですが、電話の受け答えさえまともに出来ないケヴィンに、大学教授やエンジニアと言う知的な女性が夢中になってしまい、挙げ句には命まで賭ける、と言う薄ら寒いシーンも、裏を返せば、これまで女性達は同様の思いで映画を観ていたのか、と思い知らされる、痛烈なパロディとなっているのです。
クライマックスの大スペクタクルは、決着の付け方がちょっと安易にも思えたのが残念でしたが、続編への含みも持たせつつ、気持ち良く綺麗にまとめた感じで満足度はまずまず。
ただ、この映画、製作費がかかり過ぎた（人気の女優を揃え過ぎたせいでギャラが膨れ上がったのでしょう……）せいで、興行的には続編製作が難しい状況にあるようです。
（年 月日 にて）
（作品データ）
■監督
ポール・フェイグ
■出演
エリン・ギルバート ・・・ クリステン・ウィグ
アビー・イェーツ ・・・ メリッサ・マッカーシー
ジリアン・ホルツマン ・・・ ケイト・マッキノン
パティ・トラン ・・・ レスリー・ジョーンズ
ケヴィン ・・・ クリス・ヘムズワース
（その他のキャスト）
チャールズ・ダンス マイケル・ケネス・ウィリアムズ セシリー・ストロング アンディ・ガルシア マット・ウォルシュ
マイケル・マクドナルド エド・ベグリーＪｒ． トビー・ハス ネイサン・コードリー ザック・ウッズ カラン・ソーニ
ケイティ・ディポルド ジェシカ・チャフィン ジェイミー・デンボ ビル・マーレイ ダン・エイクロイド
シガニー・ウィーヴァー アーニー・ハドソン アニー・ポッツ オジー・オズボーン アル・ローカー
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