西遊記
孫悟空　ｖｓ　白骨夫人

　これはお馴染みの中国の伝記物語「西遊記」を元にしたファンタジーアクション。
　
　暴れ者の孫悟空が五行山に閉じ込められてから５００年。
　天竺へ向かう三蔵法師は、道中で虎に襲われ、危機を脱するために孫悟空の封印を解いてしまう。観音菩薩により金の輪を嵌められ、三蔵の護衛役として旅のお供をする事になった悟空は、更に猪八戒、沙悟浄を従え天竺を目指す事となった。
　そこに永遠の命を手に入れようと三蔵を狙う白骨夫人が接近。その謀略により、三蔵に疎んじられ、遠ざけられてしまった悟空だが……

　この映画、実は２０１４年の「モンキー・マジック　孫悟空誕生」の続編に当たる映画。（原題にはしっかり「２」とついています）
　しかし、「モンキー・マジック」で悟空を演じていたのはドニー・イェンですが、本作ではアーロン・クォックに代わり、物語も事実上リブートされて、まるで続編には見えませんが……

　最近の中国映画の例に漏れず、ＶＦＸ盛り沢山。内容としては、かなりコメディ色が強く、それが滑り気味な辺りは気になりますし、「西遊記」をリブートしたが故の駆け足感のある展開も物足りません――「西遊記」は定番中の定番の物語で、中国では毎年のように映画が製作されているのですがら、天竺に向かう道中から始めてもよさそうなものですが……
　また、ワイヤーを多用したアクションは見た目は派手ながら、格闘アクションとしては面白みに欠けます。
　ただ、クライマックスの大バトルは呆れる程の大スケールで、この辺りの風呂敷の広げ方はさすが中国映画と言うべきでしょうか。

　白骨夫人を演じるのは、今や大女優のコン・リー。コン・リーは、さすがにオーバーメイクとＣＧ修正てんこ盛りではありますが、相変わらずの超絶美貌で、最早、本人そのものが化け物クラス。
　（これは中国版“吉永小百合”化が進行していると思います）
　白骨夫人の手下の３匹の女妖も妖しく美しくセクシーで……こちらももう少し活躍させて欲しかったな、と。

　映画としての出来はいまいちで、コン・リーの出演がなければ日本での劇場公開もなかったような映画ですが、それでも、このキャストを揃えて、このレベルを内容の映画を量産しているのですから、現在の中国映画は侮れません。　

　（年　月日　にて）

（作品データ）

　■監督

ソイ・チェン　

　■出演

　孫悟空　・・・　アーロン・クォック

　三蔵法師　・・・　ウィリアム・フォン

　白骨夫人　・・・　コン・リー

（その他のキャスト）
　シャオ・シェンヤン　　ヒム・ロー　　ケリー・チャン

　■コピー

この猿、最強。　

　■Ｌｉｎｋ

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