KINGS GLAIVE
ＦＩＮＡＬ ＦＡＮＴＡＳＹ ＸＶ
これは全世界でシリーズ累計１億５千万本以上の売り上げを誇る人気ＲＰＧゲームの最新版「ファイナルファンタジーＸＶ」世界を、視点を変えて描いたオールＣＧアニメ。
魔法国家ルシスは、長年に渡りニフルハイム帝国と戦い続けて来た。
ニックス・ウリックらルシス国王レギス直属の魔法部隊「王の剣」が、侵攻を食い止めてはいたもののルシスの国力は限界に近く、遂にレギス国王は、首都インソムニア以外の領土放棄を条件に、ニフルハイムとの和平を受け入れる事になった。
だが、これはニフルハイム帝国の陰謀で……
この映画は、「ファイナルファンタジーＸＶ」のリリースに先行して公開され、その世界観を広く知らしめる為に作られたものとなっています。
確かにその映像は綺麗ですし、モーションキャプチャーにより、表情を含む人物の動きにも違和感はなく、実在の俳優の演技と見紛う箇所もあるのは大したもの。
こうした部分は、かつての「ファイナルファンタジー」より確かに進歩を感じる部分ですが、あれから１５年も経つ事を考えれば、まぁ当然と言えば当然。１５年前の「ファイナルファンタジー」にあった、“誰もやらない事をやる”気概や、他にはないものを目にした驚きが感じられないのは残念ですし、汗や涙の描写が限定的に止まる事、皺や髭などのディティールで誤魔化せない女性の描写の人形っぽさなど、相変わらず、と苦笑させられる部分もまだまだ目につきました。
また、予算か日程のせいか、モブシーンなのに人混みがまばらだったり、クライマックスの都市破壊のスペクタクルも人がまるでいないなど、手抜きと言うか、チープさも気になった所です。
それから、新宿都庁舎そっくりのルシス王宮には苦笑させられましたし（と言う事は、レギス王が“都知事”なのか？）、特別協賛とは言え、市街にユニクロやＪＡＬの広告が広げられ、アウディＲ８がそのまま登場するなど、タイアップとしても度が過ぎるのではないでしょうか？
物語の方は、解説書を読んで予習して来たゲームファンと違って予備知識なしで観始めたせいか、いささか判りづらく、それを台詞だけで説明する工夫のなさや、伏線が見え見えの展開も気になりました。
アクションの方は、確かにゲーム映えのしそうなアイデアが盛り込まれるなど、こちらは考えている事が判るものの、やたら視点移動するばかりか、アクションをぶつ切りにするせいもあって何が起きているのか判りづらく、新作ゲームのプレビュームービーとしては文句のない内容でも、これを１本の劇場映画として観るのには、いささか辛い出来映えだったように思います。
（年 月日 にて）
（作品データ）
■ディレクター
野末武志
■声の出演
ニックス・ウリック ・・・ 綾野剛
ルナフレーナ・ノックス・フルーレ ・・・ 忽那汐里
レギス王 ・・・ 磯部勉
（その他のキャスト）
山寺宏一 かぬか光明 関智一 藤村歩 飯塚昭三 銀河万丈
藤原啓治 中村悠一 小松史法 高木?
■コピー
全ては“未来の王”のために
■Ｌｉｎｋ
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