シチズンフォー
スノーデンの暴露
これは、２０１３年に明らかにされた、史上最大とも言われる内部告発、「スノーデン事件」の記録映像です。
元ＣＩＡにしてＮＳＡ（国家安全保障局）局員として働いていたエドワード・スノーデンは、２０１３年、香港でイギリスの新聞社ガーディアン紙他、数名のジャーナリストとカメラの前である内部告発を行った。
それは、アメリカが、ＰＲＩＳＭと呼ばれるシステムにより、インターネット上のやりとりを傍受し自動的に分類と分析を行っている、と言うものだった。
メールやＳＮＳでのやりとりは勿論、インターネット検索履歴からクレジットカードの使用履歴まで、アメリカは国民に無断で、そのやりとりを監視していると言うのだ……
この映画は、エドワード・スノーデンの告発を記録した、正に一次情報と言うべきシロモノで、これにジャーナリストの反応や、周囲の動向などの情報を合わせ、告発を聞いたジャーナリスト自らが編集して作り上げたもの。
告発を行うスノーデンは、いかにも理系の平凡な青年、と言う印象なのですが、その語る内容はとんでもない。これは大スクープになる、と言うジャーナリスト側の高揚、そして情報を提供して行くごとに、（古巣の仕事ぶりを知っているが故に）警戒心と恐怖を露わにしていくスノーデンの様子など、リアルだからこそ感じられるスリルとサスペンスがあります。
実際に、撮影クルーを含むジャーナリストらには、政府筋からの圧力がかかってくる訳で、カメラはそうした部分をも記録して行きます。
惜しいのは、映画としてはよく出来てるとは言い難い事と、日本公開が遅れたせいもあって内容の新鮮度が薄れてしまった事ですが、それでもジャーナリストの仕事ぶりや、それまでの生活を捨て、生命さえ危機に晒してまで告発に踏み切ったスノーデンの心境など、情報価値としての内容以外にも見所は充分あります。
そして、「国民からの一方的な情報収集」と言う、国家統制への道筋作りに対抗するジャーナリズムの、メディアの責任とそのあり方について考えさせてくれる１本となっています。
（年 月日 にて）
（作品データ）
■監督
ローラ・ポイトラス
■出演
エドワード・スノーデン ローラ・ポイトラス グレン・グリーンウォルド ウィリアム・ビニー ジェイコブ・アッペルバウム
ユーウェン・マカスキル ジェレミー・スケイヒル
■コピー
国家は、あなたを監視している。
■Ｌｉｎｋ
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