| Ｘ−ミッション |
これは、「ハートブルー」をリメイクしたアクション・サスペンス。
かつてエクストリームスポーツのアスリートだったジョニーは、友の死をきっかけに足を洗い、ＦＢＩの候補生となっていた。
その頃、ＦＢＩを悩ませていたのは、驚異的な身体能力を活かした信じられないような連続犯罪。ジョニーは、その行為が、エクストリームスポーツを志す者にとっての夢の“８つ課題”に重なるものである事に気づく。
ジョニーは、フランス沖に発生する巨大な波に彼らが挑むと予測し、サーファーとして潜入を試みるが……
この映画、物語としては、ＦＢＩの潜入捜査を描くクライム・サスペンスなのですが、その物語は残念ながら破綻気味。
「ハート・ブルー」と言う出来のよい元ネタがあったのにもかかわらず、その“潜入捜査”と言うネタを活かせず、時代性を背景とした、自然への敬意と驕る人類への警鐘を鳴らすと言う設定も空回り気味。
こうなるのだったら、クライム・サスペンスを捨て、“８つの課題”に挑む、人間模様と言う物語でもよかったのではないか、と思える程でした。
その一方で、見応えがあるのはふんだんに盛り込まれた大自然相手のエクストリームスポーツ映像。
モトクロスを始め、サーフィン、スカイダイビング、スノーボード、ウィングスーツ、そしてフリー・クライミングと、世界１１ヶ国を舞台に、本物のアスリートによる、極限のアクションが繰り広げられます。
ＣＧなし（とは言え、エンドロールにもしっかりＣＧスタッフが記載されるように、使っていない訳はありませんが）のリアルアクションは迫力満点で、これだけでも映画館に足を運ぶ価値があろうと言うもの。自分のような運動オンチの人間にしてみれば、こんな事が本当に出来るのか、と言う事だけでも驚きです。
気になったのは、映像が全体的に青みがかった彩度の低いもので、ややザラついた感じがした事。クライム・サスペンスだから、と言う事かも知れませんが、ここは舞台となる大自然の美しさを堪能出来るように鮮やかなものにして欲しかったように思います。
それでも、ドツキ合いと銃撃戦とカーチェイスだけがアクションではなく、映画本来の魅力を引き出す、驚くような疑似体験を味わえると言う点で、これはなかなか魅力あるアクション映画だと思います。
（年 月日 にて）
（作品データ）
■監督
エリクソン・コア
■出演
ジョニー・ユタ ・・・ ルーク・ブレイシー
ボーディ ・・・ エドガー・ラミレス
（その他のキャスト）
テリーサ・パーマー デルロイ・リンドー レイ・ウィンストン マティアス・ヴァレラ クレーメンス・シック
トビアス・ザンテルマン マックス・シエリオット ニコライ・キンスキー
■コピー
エクストリームスポーツ犯罪集団に、潜入せよ。
■Ｌｉｎｋ
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