ザ・ガンマン
これは、ショーン・ペン主演のアクション・サスペンス。監督は「９６時間」のピエール・モレル。
内乱の続くコンゴで鉱山会社のエンジニアとして働くジムには裏の顔があった。ジムは会社ぐるみで密かに破壊工作や暗殺を請け負っていたのだ。
その裏の仕事で、大臣暗殺を実行したジムは、現地の恋人、アニーに想いを残しつつも、コンゴを去るのだった。
それから８年……大臣暗殺により更に混迷するコンゴ情勢に胸を痛めていたジムは会社を辞め、ＮＧＯ職員としてコンゴで井戸掘りの仕事に明け暮れていた。
そんなある日、ジムを狙った明らかにプロの殺し屋の襲撃があって……
この映画、何だかあちこちチグハグな印象を受けました。
ショーン・ペンを始めとしキャストは一流、でも、その内容はアクション映画。
そのアクションは様々な工夫が凝らされると共によく練られており、銃器の扱いや、銃撃戦中の身のこなしなど、これは明らかにその筋の“プロ”の指導が入っていると思しき真に迫ったもので見応えがあるのですが、物語の方が肝心な所に穴があり、また、おかしな展開もちらほら……ショーン・ペンとハピエル・バルデムがアニーを巡って火花散らすとか……何か納得出来ないなぁ、と。（ただし、アニー役のジャスミン・トレンカは成熟した女の魅力ばっちりで確かによかったですが）
そして、中でも最大の違和感が、主演のショーン・ペン。
アカデミー賞にも輝いたベテラン名優が、今更ながら肉体改造に取り組み、まるで別人のようなマッチョな身体を作り上げ、上半身裸になってのアクションに濃厚なラブシーンを演じるとは――この映画の内容なら、主演はリーアム・ニーソン辺りで、ショーン・ペンはむしろ黒幕が相応しい、と思ってしまうのですが――この年齢、このキャリアにてアクション映画の主演に躍り出たショーン・ペンの役者魂に疑問を覚えつつも感心しました。
（年 月日 にて）
（作品データ）
■監督
ピエール・モレル
■出演
ジム・テリア ・・・ ショーン・ペン
アニー ・・・ ジャスミン・トリンカ
（その他のキャスト）
ハピエル・バルデム イドリス・エルバ レイ・ウィンストン マーク・ライランス
■コピー
――元特殊部隊最強の暗殺者<ガンマン>
消したはずの過去が、男を追い詰める。
■Ｌｉｎｋ
［戻る］