| 傷物語 Ｉ 鉄血編 |
これは、西尾維新の同題小説をアニメ映画化したもの。監督は「魔法少女まどか★マギカ」の新房昭之。
これが全三部作の第一部となるそうです。
高校生の阿良々木暦は、同じ学校に通う羽川翼から「この街に吸血鬼がいる」との噂を聞く。
その夜、街に出た暦は誰もいない地下鉄のホームで、四肢を失った血塗れの女に助けを求められる。
それが鉄血にして熱血にして冷血の吸血鬼、キスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレードとの出会いだった――
原作小説は未読、予備知識もなく、予告編映像に斬新さに惹かれて観たのですが……確かに、その映像は期待通り。
実写映像を元にＣＧ化したと思われる背景映像は独特の世界を作り出していますし、作画も世界観に合わせて、アニメキャラでありながら実体感を覚えさせるものでなかなかの出来映え。 時として挟まれるデフォルメされた作画もいい味を出しています。
ただ、それほど長いドラマでもないと思われる物語をやや強引に３部作にしたせいでしょうか、特にこの第一部は、テンポが遅くで物語が動き出さずにもどかしく感じ、漸く動き出したと思ったら、それで終わりとは……これだったら、もっとテンポよくドラマを動かせば２時間の長編１本にまとまりそうな感じで、商売的な都合はあったにせよ、どうにかならなかったのか、と言う感じです。
早口のセリフとテンポのいい掛け合いで情報量を稼ぎ、モノローグで説明してドラマを動かす、最近のアニメに慣れた若い観客にとっては、むしろ新鮮だったりするのかも知れませんが……映像は見るべき所があったし、ケレン味の利いた演出もいいとは言え肝心の“物語”を見せてくれないのにはちょっと欲求不満。揺れるおっぱいとパンチラと言うサービスカットもあったものの、それだけで約６０分は正直厳しい。
第二部を観る気になるかどうかは、正直微妙な所かな……
（年 月日 にて）
（作品データ）
■監督
新房昭之
■出演
阿良々木暦 ・・・ 神谷浩史
羽川翼 ・・・ 堀江由衣
キスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレード ・・・ 坂本真綾
（その他のキャスト）
櫻井孝宏
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