| きみといた２日間 Ｔｗｏ ｎｉｇｈｔ ｓｔａｎｄ |
これは、“出会い系サイト”で出会った男女のセックスと恋愛を描く映画。
監督は、「卒業」など数々の名作で知られる名匠、マイク・ニコルズの息子、マックス・ニコルズで、これが長編映画デビュー作となります。
医科大を卒業したものの、婚約していた彼に振られてしまったメーガンは、就職も出来ないまま、部屋に引き籠もっていた。
クリスマスの夜、ルームシェアしている同居人に誘われてパーティーへ出掛けたメーガンだが、無職で身分証のない彼女はバーへの入店を断られてしまう。
ヤケになったメーガンは、出会い系サイトで出会ったアレックと言う男の部屋で一夜を過ごす。
翌朝、帰ろうと思ったメーガンだが、夜中から降り出した突然の大吹雪で道路は埋め尽くされ、公共交通機関もすべて運休。アパートのドアも雪で埋もれ、開ける事も出来ない。
一夜限りの後腐れのない関係にするはずが、メーガンはアレック部屋に閉じ込められてしまった。前夜は、「セックス」と言う共通の目的があったが、こうなってしまうと、よそよそしくて気まずい雰囲気が漂う。果たしてふたりはどうなるのか……？
出会い系サイトで出会った男女が、一夜の相手を求める、と言う事自体は決して珍しくはないのかも知れませんが、ただ、それは決して誉められた事ではないですし、初対面の男性の部屋に、若い女性がいきなり泊まりに行く、と言うのも、不用心にも程があるように思えます。
映画は、その辺をさらりと流し、前半部分はコメディ色を強めにしてテンポよく見せてしまいます。
こうした構成は韓流映画に多いのですが、マイク・ニコルズ、初監督でありながら、優れた脚本の助けもあったのでしょうけれど、そつなく見せているのはさすが、と言う所です。
普通の恋人たちであれば、出会いから少しずつ距離を詰めて行くのでしょうけれど、この２人の関係はまずセックスから始まり、時間をかけて打ち解け、直面した問題を２人で協力して解決した事で絆が生まれ……と言う、ちょっと順序の違う人間関係の進展も面白ければ、恋人同士でもなく、金銭関係もないからこそ、セックスの「やり方」について、遠慮のない意見をぶつけ合い、お互いにどうすればよいのかを知った結果、非常によい“結びつき”が出来てしまう、と言う描写も面白い。
アレックを演じるのは「セッション」のマイルズ・テラー。メーガンを演じるアナリー・ティプトンは、これまで余り印象になかったのですが、大きな目と､瑞々しいスリムなボディが特徴で、時として少女っぽさを感じさせる（なるほど、バーで年齢確認される訳です）初々しさと清潔感があって、魅力的。
この２人が関係性を変化させていく様を丁寧に描く中盤以降の展開もいいし、原題の“２夜限りの関係”の後、シンデレラを探す王子のように、メーガンを探すアレックの機転にも感心。
ラストのオチも予定調和ではありますが、これは、セックスから始まる“大人のラブ・ストーリー”楽しめた１本でした。
（２０１６年 １月 ４日 新宿武蔵野館にて）
（作品データ）
■監督
マックス・ニコルズ
■出演
マイルズ・テラー ・・・ デル
アナリー・ティプトン ・・・ メーガン
（その他のキャスト）
ジェシカ・ゾー スコット・メスカディ レヴェン・ランビン ジョーイ・ローレン・アダムズ
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“ネット恋活”から始まるこの冬いちばんのラブストーリー
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