ＣＯＭＥＴ
コメット
これは、１組の恋人たちの６年に渡る出会いと別れの物語を、場所や時間をランダムに交差させながら描く異色のラブ・ストーリー。
監督は、これがデビュ－作となるサム・エスメイル。出演は「ダイ・ハード４．０」のジャスティン・ロングと「オペラ座の怪人」のエミー・ロッサム。
流星雨の降る日に出会ったデルとキンバリー。
「愛を信じない」デルと「愛を信じる」キンバリーの２人の恋はそこから始まった――流星の降る墓地、雪降るパリのホテル、再会した列車、離れた２人の電話……６年の日々の中で、交差する様々な思い…
…そして、キンバリーの住むアパートを訪れたデルは……
誰よりも頭がいい（と思っている）孤独な男が、自分を受け止めてくれる（と一方的に思っている）知的な女性と、恋に落ち、恋仲になるのだけど、すれ違い、別れ、それでも……と言う、それだけ見ればあ
りがちなラブ・ストーリー。
ただ、この映画、恋人となる２人、理屈っぽい上に独りよがり、相手の話を聞こうとしないので、こりゃ上手く行く訳ないよな、と思ってしまいます。特に、ジャスティン・ロング演じるデルは、その見た目
からしてもオタクっぽく、仕事は出来るのだろうけれど人間関係は苦手なのだろうなぁ、と言う感じで、どう見ても（ ）内のように見えてしまう辺りが痛い。
まぁ、そうした部分を、“人間的な幼さ”と痛々しく描けば、まだ見所もあったのに、この映画、それが“知的で洒落ている”と描いている辺りも痛い。
さらに、特徴である場所や時間の描写をランダムに交差させる辺りや、２つの太陽が昇る“パラレルワールド”設定がまるで活かされておらず、技巧としての技巧にしかなっていないのも痛い。
映像としては美しいカットも見られますし、ポップでロマンティックな雰囲気は悪くはありませんが、映画としては、どうしようもなく独りよがりなシロモノ。独りよがりな登場人物にうんざりさせられる以
上に、映画自体にうんざりさせられる始末。映画的な盛り上がりにも感情を揺さぶられるような部分もなく、眠気を抑えるのに苦労するような内容でした。
（２０１６年 １月 ４日 ヒューマントラストシネマ渋谷にて）
（作品データ）
■監督
サム・エスメイル
■出演
デル ・・・ ジャスティン・ロング
キンバリー ・・・ エミー・ロッサム
（その他のキャスト）
エリック・ウィンター
■コピー
彗星の夜、愛の終わりが始まった
■Ｌｉｎｋ
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