メイズ・ランナー ２
砂漠の迷宮
これは、ジェームス・ダシュナーの人気ヤングアダルト小説の映画版第二弾。
監督は前作に続きウェス・ポール監督が務めています。
ＷＣＫＤが管理する巨大迷路からの脱出に成功し、武装勢力に救出されたトーマスらは、ある施設に収容される。そこでは、世界各地にあると言う迷路を脱出した多くの若者たちが集められていた。
ここは中間施設だと組織を率いるジャンソンは説明し、施設からは最終目的地に向け、毎日数名ずつの若者が送り出されていく。
送り出された若者は何処に行くのか、また、隔離されているテレサの安否を知りたくて、施設に長くいると言うエリスの案内で、若者らの立入り禁止区域に入ったトーマスが見たものは……
迷路を脱出し、物語の舞台は広がり、物語世界がその姿を見せ始めた本作。
人類社会を破壊したのは、太陽の暴走と、人をゾンビのような怪物、“クランク”に変えてしまう謎のウィルス。謎のウィルスに感染した人間は、全身が腐敗して死に至り、光を浴びると活性化して人を襲うのです。
トーマスら実験体になっている若者は、ウィルスの免疫を持っている事おり、何らかの実験が行われている……と言う説明ですが、それはそれで、描写がチグハグで辻褄が合いません。特に、免疫力のある血液の採取、と言うのが目的なら迷路に閉じ込めておく理由がありません。迷路を抜けられなかったものが体液を絞られ、抜けた者には更なる課題が……と言う展開なら、まだしも納得出来るのですが……
好意的に見れば、実は更に大きな仕掛けが、と受け止める事も出来ますが、疑問符の連発で、何だかもやもやした印象の残る物語でした。
そして、その印象を更に悪くするのが主人公のトーマス。
人の話を聞かず、目で見た断片的な情報だけで、行き当たりばったりに行動するこいつのせいで、物語が転がって行かないではないか、と思わされます――大体、こいつが一番最初にテレサの話をちゃんと聞いておけば……
そんな主人公に引っ張られた物語は、行き当たりばったりに行動し、まずい事をやらかしては逃げ回ると言う展開を繰り返し、しかもその相手がゾンビと来ては既視感もあって新味なし。
確かに、登場人物は相変わらずわあわあ賑やかに駈け回り、追いかけっこのサスペンスもあって退屈はしませんが、一向に進まない物語に、これは完結編に向けた状況説明の繋ぎか、と割り切って受け止めるしかない感じでした。
三部作の完結編は、アメリカで２０１７年の２月公開と言う事ですが、これまたどうなることやら……
（年 月日 にて）
（作品データ）
■監督
ウェス・ボール
■出演
トーマス ・・・ ディラン・オブライエン
テレサ ・・・ カヤ・スコデラーリオ
ジャンソン ・・・ エイダン・ギレン
（その他のキャスト）
キー・ホン・リー トーマス・ブローディ=サングスター デクスター・ダーデン アレクサンダー・フローレス ジェイコブ・ロフランド
ローサ・サラザール ジャンカルロ・エスポジート パトリシア・クラークソン テリー・デイル・パークス
キャスリン・スミス=マッグリン リリ・テイラー バリー・ペッパー アラン・テュディック キャサリン・マクナマラ
■コピー
本当の迷路<メイズ>は、ここから始まる
■Ｌｉｎｋ
［戻る］