| ミニオンズ |
これは「怪盗グルー」シリーズに登場するグルーの配下でバナナが大好きな謎の生き物、ミニオンを主役にしたスピンオフ作品。
意外に豪華なボイスキャストと、意味不明の言語を喋るミニオンをどう扱うのかに注目し、オリジナルの字幕版で観たいと思ったのですが……神奈川県では字幕版上映なし、東京まで行けば字幕版があるのですが、今度は３Ｄ版がない。でも、オリジナル音声を優先し、字幕２Ｄ版での鑑賞となりました。
太古に誕生し、最凶最悪のボスに仕えることを悦びとしてきたミニオンたち。
ある戦いでボスを死なせてしまい、逃げ落ちて氷雪に閉ざされた巨大な洞窟を安住の地とした彼らだったが、仕えるべきボスがいない日々の中で気力を失っていった。
その中で、ケビンは変わり者のスチュアートと、幼稚なボブの３人で新たなボスを探す旅に出る。長旅の末、ニューヨークに辿り着いたのは１９６８年の事だった……
ミニオンたちが主役でありながら、黄色い集団が画面を埋め尽くすのは冒頭の洞穴に辿り着くまでと終盤だけ、と言うのはちょっと寂しい気もします。
ただ、物語の方は、悪党を中心とし、ギャクシーン（特に冒頭部分）の多くは「死」をネタにしたブラックジョーク、と言う辺りは、ディズニー＆ピクサーの“よい子”路線とは一線を画したもので、はっきり言って大人向け。
１９６８年、と言う時代設定に、当時の音楽（「ビートルズ」もしっかり登場）や風俗など、これを面白がる事が出来る年齢層はかなり高いと思います。
しかも、物語の中心となるのは、英国王の王冠争奪戦。現女王のエリザベス２世が実名で登場、彼女を登場人物にしてアクションはするは、笑いを取るわ、英国王室をネタにここまでやるのか、と言うのは、日本人的には「大丈夫なのか？」と危惧してしまう所です。
（日本の皇室では出来ないでしょう……でも、イギリス人は平気なのかな？）
物語には難しいテーマも、愛も感動もなく、ほとんど全編、ミニオンと悪党のドタバタ劇に終始しますが、そんな内容でも、ＣＧアニメの作り込みに妥協などまるでないのもまた素晴らしい。
大人向けのナンセンスギャグアニメ、と言う狙いそのものはどうかと思いますが、そうした狙いの映画としては完成度も作り込みも呆れる程によく出来ています。
最後には若き日のグルーとの出会いまでも描かれます。
そこで、この映画がスピンオフと言うよりは流行の“エピソード：０”だったんだな、と思いました。
（２０１５年 ８月５日 ＴＯＨＯシネマズ日本橋にて）
（作品データ）
■監督
ピエール・コフィン ／ カイル・バルダ
■出演
スカーレット・オーバーキル ・・・ サンドラ・ブロック
（その他のキャスト）
ジョン・ハム マイケル・キートン アリソン・ジャネイ スティーヴ・クーガン ジェフリー・ラッシュ
■コピー
オンナ？バナナ？
■Ｌｉｎｋ
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