| リアル鬼ごっこ |
これは、最近、公開作の相次ぐ園子温監督の最新作。
山田悠介の同題小説に基づく映画です。
女子高生ミツコは、修学旅行中、姿の見えない何者かに襲われた。ミツコの乗っていたバスを生徒ごと真っ二つにした“何か”は、ミツコを執拗に追い、通りすがりの人々もみな切り殺されてしまう。
必死に逃げ、何とかたどり着いた先は見知らぬ女子高。だがそこでミツコは、周囲の生徒からまるで知り合いのように振る舞われて困惑するのだった……
実は私、「リアル鬼ごっこ」の山田悠介の小説が好きではありません。
そもそも山田悠介、この小説を書くまでロクに文章を書いた事がなく、しかも、あまり本も読んでいなかったのだとか。
それ故の、あまりに稚拙な文体（所謂「馬から落ちて落馬する」と言う類い）、架空の小説としての素養のない舞台設定など、私にはひっかかり過ぎて“読めない”のですが、そこが逆に、彼同様に小説をろくに読んだ事もない若い読者の共感を得やすいようで、小説「リアル鬼ごっこ」はベストセラーになり、これまでに５作も映画化されています。
勿論、私はそれらの映画も観ておらず、今回の映画も「リアル鬼ごっこ」が原作、と言う時点でパスするつもりだったのですが、どうも様子が変。
余りに原作とかけ離れた内容が話題となっており、調べてみると園子温監督、何と原作小説を読んでさえおらず、タイトルだけ借用しただけで、内容は全くのオリジナルだ、と言うではないですか。まぁ、そうした破天荒ぶりもらしい所ではありますし、そうとなれば話は別。園子温監督のオリジナルとして観る事にしました。
この映画、原作ありで原作通りの「新宿スワン」とは大違い。登場するのは女ばっかり、パンチラ、胸チラ、下着姿、そして格闘と銃撃、大量の血飛沫に女の死体の山。その、いかにも園子温らしいビジュアルには感心半分、呆れ半分。
まぁ、でも、これが園子温です。
映画ストーリーは決して難解ではありませんが、最早、独りよがりと言ってもよさそうなまるで予想のつかない展開には参りました。
（何となく脳天気な予告編からは想像も出来ない内容です）
テーマらしいものは窺えはしますが、それは大して重要ではなく、そんなの理解しなくとも園子温ならではのシュールな世界観と独自の映像世界は存分に味わえます。
それにしても、世間的も注目され、拡大公開系で矢継ぎ早に作品がリリースされる状況でありながら、こんな好き嫌いの激しそうなオリジナリティ溢れるものをしれっと出して来る辺りは本当に大したものです。
しかし、あのオチなら、最後に出て来るあいつは、斎藤工ではないと思うのだけど……
（年 月日 にて）
（作品データ）
■監督・脚本
園子温
■出演
ミツコ ・・・ トリンドル玲奈
ケイコ ・・・ 篠田麻里子
いずみ ・・・ 真野恵里菜
（その他のキャスト）
桜井ユキ 高橋メアリージュン 磯山さやか 平岡亜紀 冨手麻妙 秋月三佳
菊池真琴 安田聖愛 緒沢あかり サイボーグかおり 堀口ひかる 柴田千紘
横田美紀 佐野光来 吉田芽吹 ほのかりん 星名利華 屋敷紘子
三田真央 澤真希 IZUMI 宮原華音 村上穂乃佳 桃奈 日高七海
岩崎風花 佐々木萌詠 最所美咲 石丸奈菜美 柴田あさみ 坂本亜里紗
麻生真桜 安竜麗 奥田ワレタ 斎藤工
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全国のＪＫ<女子高生>の皆さん
あなたたちはちょっとふてぶてしいので、数を減らすことにします。
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