デッドシティ２０５５
−ＶＩＣＥー
これは、近未来のリゾート施設「ＶＩＣＥ（悪徳）」を舞台に描くＳＦアクション。
２０５５年、富裕層をターゲットとしたリゾート都市「ＶＩＣＥ」が賑わいを見せていた。
そこは、人間そっくりのレプリカント（複製人間）を相手に、セックス・暴力・レイプ・殺人と、社会では決して許されない行為を満喫出来る、禁断の娯楽施設だった。
傷つけられ、殺されたレプリカントは修理され、記憶をリセットされて再利用される。だが、その脳の内部には、それまでの記憶が残っていたのだ。
ある日、レプリカントのケリーに不具合が起き、それまでの記憶が甦ってしまう。
強制リセットをかけられそうになったケリーだが、辛くも逃げ出して……
この映画、ブルース・ウィリス出演、と言うことで、日本でも劇場公開されましたが、その内容は低予算のＢ級作品。日本で言うなら「アイアンガール」並みの内容で、アメリカだったら、ＴＶドラマでももっと凝ったものがありそうです。
レプリカントと言う設定もそうですし、そのレプリカント相手に暗い欲望を発散させる金持ち、と言う構図も、平井和正の「サイボーグブルース」にも類似のエピソードがあり、新鮮味はありません。
ただ、そうした行為を一種の風俗産業として事業化する、と言うのはアイデアとしてなかなかですし、そこで“道具”として弄ばれ､殺されるレプリカントと人間の差が、「記憶を積み重ね、成長するか否か」にある、と言う着眼点もいい。
「初期設定」のまま、１日ごとにリセットされるレプリカントには自我はなく、記憶を積み重ねる“学習”によって、人は人たり得る、と言うのは、先日観た「チャッピー」の人工知能の“意識”と“自我”の考えにも似て興味深いものでした。
ただ、映画の出来としてはいささか寂しい。ＳＦアクション、と言っても下手な射撃の撃ち合いと追いかけっこに終始して見せ場にはならず、ビジュアルも突出したものもなく、一点豪華なのはブルース・ウィリスの出演だけ、と言うのですから……
これだったら、レイティングを上げても、エロとグロ、バイオレンス色も高めて、もっとインパクトを出した方がよかったように思います。
ラストカットのあれは……まぁ、“不死身の男”が殺される訳にも行かない、と言う事なんでしょう。
（年 月日 にて）
（作品データ）
■監督
ブライアン・ミラー
■出演
ケリー ・・・ アンビル・チルダース
ジュリアン ・・・ ブルース・ウィリス
（その他のキャスト）
ブライアン・グリーンバーグ トーマス・ジェーン ジョナサン・シェック ブレット・グランスタッフ
ライアン・オナン
■コピー
セックス、ドラッグ、殺人・・・
あなたの欲望を全て叶える近未来リゾート都市“ＶＩＣＥ”
■Ｌｉｎｋ
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