リピーテッド
これは、ＳＪ・ワトソンの小説「わたしが眠りにつく前に」を、ローワン・ジョフィ監督が映画化したもの。
記憶障害の女性が、伏せられている過去を解き明かして行くミステリーです。
彼女は、怪我の後遺症で眠りにつくとそれまでの記憶を失ってしまうと言う特殊な障害がある。
朝目覚めると、隣に見知らぬ他人が寝ており、自分が誰なのかも判らない。
彼女の夫であるベンは、毎朝、脅える彼女に対し、名前はクリスティーン、年齢は４０歳、１４年前に結婚していて、自分がその夫である、と説明しなければならない。
ベンが出勤すると、ナッシュと名乗る医師から電話がかかって来て、彼女に昨日までの映像記録を見ろ、と言う。
やがて、ベンは様々な事を彼女に隠している事が判って来て……
この映画、クリスティーンを演じるのはニコール・キッドマン。ベンをコリン・ファース、ナッシュ医師をマーク・ストロングが演じると言う豪華キャスト。
主演のニコール・キッドマンですが、今回はスッピンに近いメイクが多かったせいもあって、大分印象が変わり、ニコール・キッドマンも年取ったなぁ、とあらためて思いました。（しかし、ボトックスによる小じわのない妙に突っ張った顔面はどうにかならないものか、と……）
このキャストなのに妙に公開規模が小さいのが気になっていましたが……やはり、嫌な予感的中。
まず、この物語、つじつまの合わない所が多過ぎます。
時間軸も妙に長ければ、その途中経緯も不自然。しかも、その行動を起こした人間が何を考えてそれをやったのか、と言う部分で納得が行かないのです。
まぁ、これは元の小説でも変わらないようなので、映画のせいにするもの気の毒なのですが、この公開規模は、この物語故に事か、と納得しました。
確かに、終盤で「驚きの真実」が明らかになる展開はいいし、そのアイデア自体は優れものではあるのですが、それを物語としてまとめるためには、もっと短い時間軸で、それこそ、襲われて怪我をしたクリスティーンが目覚めたら……と言うように話をコンパクトにしないと辻褄が合わないように思います。
また、クライマックスは血塗れの格闘なのですが……このキャストにそれをやらせるのを誉めるべきか、或いは呆れるべきか……
（年 月日 にて）
（作品データ）
■監督・脚本
ローワン・ジョフィ
■出演
クリスティーン ・・・ ニコール・キッドマン
ベン ・・・ コリン・ファース
ナッシュ医師 ・・・ マーク・ストロング
■コピー
眠ると消えてしまう記憶
“昨日の私”からのビデオメッセージ
――その犯人を知るのは私だけ
■Ｌｉｎｋ
［戻る］