| 脳内ポイズンベリー |
これは、水城せとなの同題の少女マンガを真木よう子主演で映画化したラブコメ。
７歳年下の男との恋に悩むアラサー女子、と言う設定は既に珍しくありませんが、その脳内の葛藤を擬人化して見せる事が特色となっています。
ライターの櫻井いちこは、飲み会で知り合ったイケメンアーティスト系男子の早乙女亮一と、後日駅で偶然遭遇。彼女の脳の中では、７歳下の彼に声をかけるか否かで<ポジティブ>の石橋、<衝動>のハトコと、<ネガティブ>の池田との意見が対立。議長を務める<理性>の吉田は多数決を採ろうとするが、<記憶>の岸は判断を保留し、優柔不断な吉田は混乱して……
人が脳内で様々な思索を巡らす様を、精神の作用を擬人化したキャラクターが会議を繰り広げる、と言うアイデアは確かに傑出したもの。人間があれこれ迷って、なかなか決断できない時、脳内ではこんなぐだぐだ会議が行われている……と言う描写は、なるほど、と思わせます。
いちこの中では<ネガティブ>が支配的で、議長はそれに呑まれている感があり、引っ込み思案で優柔不断な彼女の性格は、その脳内派閥の力関係によるもの、となります。
（自分の頭の中では、<衝動>はもっと怠惰で、議長は更に優柔不断だな、とか思ったり……）
この脳内会議が面白く、「せっかくの機会だから声をかけよう」、「いい年してみっともない、恥をかくだけ」など、その言い合いは誰しも身に覚えがあるはず。それで、結局は無難な結論になってしまう辺りには苦笑してしまったり……映像にするのが難しい内心の葛藤を、映画でしっかりエンターテイメントにして見せているのは見事としか言い様がありません。
いちこを演じるのは真木よう子。
演技力には文句なく、映画開幕早々に階段を駆け下りる彼女のＧカップバストが弾み、揺れる様をどアップのスローモーションで映し出すなど、観客の見たいものを見せようとする製作陣の工夫もいいのですが、“メンヘラ気味の非モテ女”と言ういちこを演じるには美人過ぎるし、第一、あれじゃ男が放っておく訳がありません。
確かに映画スターは美男美女揃い、役に対して「美人すぎる」のは当たり前の事とは言え、ちょいとミスキャストではないか、と思ってしまいました。
（年 月日 にて）
（作品データ）
■監督
佐藤祐市
■出演
櫻木いちこ ・・・ 真木よう子
早乙女亮一 ・・・ 古川雄輝
<理性>吉田 ・・・ 西島秀俊
<ネガティブ>池田 ・・・ 吉田羊
<ポジティブ>石橋 ・・・ 神木隆之介
<衝動>ハトコ ・・・ 桜田ひより
<記憶>岸 ・・・ 浅野和之
（その他のキャスト）
成河 岡本玲 ともさかりえ
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恋する？ 恋しない？ ただいま脳内会議中！
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