ラスト５イヤーズ
ＴＨＥ ＬＡＳＴ ＦＩＶＥ ＹＥＡＲＳ
これは、２００１年に「タイム」誌がベストショー１０にも選んだブロードウェイの大ヒットミュージカル「ラスト・ファイブ・イヤーズ」を映画化したもの。
（それにしてもこの映画の邦題はどうにかならなかったものか）
女優を目指す彼女と作家志望の彼が出会い、結ばれて、やがて別れて行くまでの５年間を描くラブ・ストーリーです。
ニューヨークのあるアパートの一室。
キャシーは、新たな人生を求めて出て行ってしまったジェイミーとの日々を思い出し、悲しみに暮れていた。舞台女優を目指すキャシーと作家志望のジェイミーが出会ったのは５年前。瞬く間に恋に落ちた２人は共にそれぞれの夢に向かって歩き出した――だが、成功への階段を登り始めたジェイミーと、そのきっかけさえ掴めないキャシーの２人の関係は、いつしかぎくしゃくするようになって……
映画は本格的なミュージカルで、台詞の殆どが歌詞となり、物語るのも盛り上げるのも歌唱力が全てと言う内容ですが、共にブロードウェイの舞台俳優出身の２人にとっては本領発揮。特に、キャシーを演じたアナ・ケンドリックは、かつてトニー賞にノミネートされた事もある歌唱力を存分に発揮しています。
（タレ目のファニーフェイスに白人としては小柄なトランジシタグラマーな彼女、もっと人気が出てもいいと思うのですが）
音楽の方も、大ヒットのミュージカルらしく、その美しさもドラマチックさも文句のないもの。
ただ、２人の別れに始まり、映画の大半が、２人のすれ違い……と言うか、俗に「犬も食わない」と言う夫婦喧嘩そのものとなる内容なのです。如何に美しく演出し、ドラマチックに盛り上げようとしても、エンターテイメントにするには厳しいものがあるように思いました。
映画の構成としては、２人が過ごした５年間を、ジェイミーの視点からは出会いから、キャシーの視点からは別れから、それぞれの時間軸を織り交ぜて描いて行くのですが、台詞の殆どが歌詞となって説明不足となるせいか、時間軸がよく判らず、ついて行くのに一苦労。舞台劇ではその辺りをどう処理したのか判りませんが、判り易い時間経過を表わす工夫が欲しかった所です。
（年 月日 にて）
（作品データ）
■監督
リチャード・ラグラヴェネーズ
■出演
キャシー ・・・ アナ・ケンドリック,
ジェイミー ・・・ ジェレミー・ジョーダン
■コピー
２人の時間。２人の想い。交わるのは、たった一瞬だけ――。
■Ｌｉｎｋ
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