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マッハ！無限大
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これは、タイの超絶アクション映画「トム・ヤム・クン！」の続編。
監督は前作と同じブラッチャヤー・ピンゲーオ。主演は勿論、トニー・ジャーで、今回は「チョコレート・ファイター」のジージャー・ヤーニンも参戦。ラッパーで俳優のＲＺＡや、「オンリー・ゴッド」や「ルパン三世」にも出演した歌手で人気女優のラター・ボーカームを起用するなど、キャストも豪華になり、スケールの大きな映画となっていますが……日本では「トム・ヤム・クン！」に「マッハ!!!!!!!!」ほどの知名度がなく、邦題は「マッハ!!!!!!!!」の続編をイメージさせる、おかしな事になっています。
カームの村に怪しい連中がやって来た。大金をちらつかせて、ゾウのコーンを売れと言う。コーンは家族も同様だ、とカームは断るが、その直後、僅かな隙をついてコーンが盗まれてしまう。残された名刺から、動物商のスチャートの屋敷を訪ねたカームだったが、そこで見たのは何者かに殺された彼の死体だった。スチャート殺しの犯人として警察に追われることになったカーム。スチャートの養女で武術の達人の姉妹もカームを追う。さらにゾウを盗んだ謎のグループも、カームを捕らえようとして……
ブラッチャヤー・ピンゲーオは、これまでＣＧやワイヤー、スタントマンさえも用いず、俳優が体当たりのアクションを見せるのをウリにしていましたが、この映画では、ＣＧを多用、ワイヤーも使えばスタントも使う、何でもありの映画となっています。
確かに、トニー・ジャーやジージャーらブラッチャヤー・ピンゲーオ組の俳優はともかく、有名俳優を起用するためには仕方の無い事ではあるし、映画表現の幅を広げ、スケールアップするにも必要だったのは判ります。だけど、やはり、“らしさ”をなくしてしまったのは勿体ない事ですし、また、これまでガチンコ・アクションに慣れていた製作陣は“らしく見せる”のが上手くなく、ラター・ボーカーム演じる“Ｎｏ．２０”のアクションなど、どうにも嘘くさく見えるのが残念。どうせなら、ジーナ・カラーノとか武田梨奈など、本格的にアクションの出来る女優を起用出来なかったものでしょうか？
国際陰謀ネタを盛り込み、スケールアップした物語も、テロを準備している犯罪組織がわざわざ騒動を起こすなど支離滅裂。これではアクションの理由付けにもなっていません。
この物語、格闘世界から遠ざかっているカームを裏社会の格闘大会に引っ張り出す為にコーンを連れ出した……くらいのシンプルな物語にした方がよかったように思います。なにしろ、トニー・ジャーとジージャーと言う逸材がいるのです。彼らのアクション見せるだけで、十分なエンターテイメントになるように思うのですが……
トニー・ジャーのアクションは相変わらずキッレキレだし、今回、トニー・ジャーの引き立て役となって今回はやられ役が多かったジージャーも、しっかり見せ場を作ってはいるのですが、そのアクションを活かし切れていない物語にもどかしさを覚えました。
（年 月日 にて）
（作品データ）
■監督
プラッチャヤー・ピンゲーオ
■出演
カーム ・・・ トニー・ジャー
（その他のキャスト）
ＲＺＡ ジージャー・ヤーニン ラター・ボーガーム ペットターイ・ウォンカムラオ マレセ・クランプ
■コピー
トニー・ジャー × ジージャー = 無限大
■Ｌｉｎｋ
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