ＳＩＮ ＣＩＴＹ
シン・シティ 復讐の女神
これは、２００５年に製作された「シン・シティ」の続編。
コミック原作のフランク・ミラーとロバート・ロドリゲスと共同監督作品で、主要なスタッフもそのまま。ただし、キャストは一部変更となっています。
闇に抱かれた“罪悪の街”シン・シティ。
街を牛耳るロアーク上院議員の息子で連続殺人犯のイエロー・バスタードを殺し、復讐の連鎖を断ち切るため自ら命を絶った刑事ハーティガン。彼を深く愛したダンサーのナンシーは、ロアークへの復讐の機会を狙っていた。怪力男のマーヴは、そんな彼女を見守っていたが……
約１０年ぶりの続編になる訳ですが、この「シン・シティ」、前作も４つのエピソードを組み合わせたオムニバス的な映画で、完全な「続編」になっているのは、ナンシーの復讐を描くエピソードくらい。エヴァ・グリーン演じる悪女のエピソードなどは前作の前日譚になる話であり、前作を観ていなくても楽しめる映画になっていると思います。（しかも、日本版では、上映前に前作のあらすじが入ると言う親切ぶりですし）
この物語の主役は、あくまで「シン・シティ」なのであり、その悪の街の中で、時間と記憶も失って酒と暴力に生きるマーヴの話なのです。
１０年の間には、フランク・ミラーの「３００」も映画化され、これまたザック・シュナイダーによる見事なビジュアル化だったことから、ちょっと新鮮味が薄れるのでは、と懸念していましたが……ザックならではの日本アニメ風味とは明らかに違う、正に“アメコミ”を映像化したビジュルアルは未だ新鮮。モノクロながら艶のある映像と、その中でどぎつく彩られた、エヴァの碧の瞳と赤い唇……これには相変わらず魅了させられました。
また、エヴァを演じたエヴァ・グリーンは、「３００ 帝国の進撃」に続き、禍々しくも美しい悪女の魅力全開。また、脱ぎっぷりも全開で、この映画のお色気ポイントの大半を稼ぎ出している感じです。
ただ、今回、ちょっと構成が悪く感じられました。
ジョセフ・ゴードン・レヴィット演じるギャンブラーの話は、ロアークの強大さを示すエピソードとして前半に集中させ、悪女・エヴァのエピソードを挟んで、ナンシーの復讐譚とした方がまとまりがよかったように思いました。
（年 月日 にて）
（作品データ）
■監督
ロバート・ロドリゲス フランク・ミラー
■出演
マーヴ ・・・ ミッキー・ローク
ナンシー・キャラハン ・・・ ジェシカ・アルバ
ジョン・ハーディガン ・・・ ブルース・ウィリス
ロアーク上院議員 ・・・ パワーズ・ブース
エヴァ・ロード ・・・ エヴァ・グリーン
（その他のキャスト）
ジョシュ・ブローリン ジョセフ・ゴードン=レヴィット ロザリオ・ドーソン デニス・ヘイスバート レイ・リオッタ
クリストファー・メローニ ジェレミー・ピヴェン クリストファー・ロイド ジェイミー・キング ジュノー・テンプル
ステイシー・キーチ マートン・ソーカス ジュード・チコレッラ ジェイミー・チャン ジュリア・ガーナー
レディー・ガガ アレクサ・ヴェガ
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正義じゃ守れないものがある。
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