| 海月姫 |
これは、アニメ化もされた東村アキコの同題コミックを、能年玲奈主演で映画化したコメディです。
イラストレーターを目指し鹿児島から上京してきた倉下月海は、女子力ゼロのくらげオタク。男性を前にするとろくに口も利けない彼女は、類は友を呼ぶと言うのか、４人のオタク女子（尼〜ず）たちが揃った男子禁制のアパート「天水館」で暮らしていた。
ある日、ペットショップでトラブルを起こした月海は、お洒落な美女に助けられ、成り行きで彼女をアパートに泊める事になる。
だが、翌朝、その女性は女装した男だと判り、月海はパニック状態に陥ってしまう。その女装男子、鯉淵蔵之介は、何故か月海と「天水館」が気に入り、頻繁に出入りするようになって……
この映画、ビジュアル的にはなかなか頑張っている印象。能年玲奈は、バラエティ番組などで見せるぎこちなさは何処へやら、変顔も辞さない見事なコメディエンヌっぷりを見せると共に、決める時の美少女っぷりの破壊力も凄い。さすがは現在Ｎｏ．１の清純派女優の面目躍如と言う所でしょう。
また、尼〜ずの４人も、千絵子を除けば素顔が判らない程の役作りっぷりで、コミックのキャラクターを再現しています。
ただ、この映画での最大の見所は、菅田将暉の見事な化けっぷり。
もう、声以外、見た目はほぼ美女になり切っている女装はほんと、見事なもので……終盤のファッションショーのシーンなど、本業がモデルの太田莉菜に決してヒケを取らないのだから恐ろしい……
このようにコミックの再現性の高いビジュアルに対し、どうにも物足りなかったのが物語……と言うか映画としての出来。
コミックのギャグをそのまま持ち込んだ「石化」のギャグなどは、実写ではどうにも浮いた感じがありますし、尼〜ずのオタク描写も、いささかやり過ぎの感あり。月海の成長を描くか、ラブコメにするか、天水館の危機を描くのか、絞り切れていない分、物語が散漫な印象も受けました。
コミック自体も未完（月海の恋愛も進展していない）と言う事もあり、続編への期待を持たせたのかも知れませんが、天水館の存続までは辿り着きはしたものの、月海の“気持ち”に区切りをつけていないままで終わる映画にはまとまりの悪さを感じてしまいました。
（２０１５年 １月 １日 １０９シネマズＭＭにて）
（作品データ）
■監督
川村泰祐
■出演
倉下月海 ・・・ 能年玲奈
鯉淵蔵之介 ・・・ 菅田将暉
鯉淵修 ・・・ 長谷川博己
（尼〜ず）
まやや ・・・ 太田莉菜
ばんば ・・・ 池脇千鶴
千絵子 ・・・ 馬場園梓（アジアン）
ジジ ・・・ 篠原ともえ
（その他のキャスト）
片瀬那奈 速水もこみち 平泉成 内野謙太
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我がオタク人生をかけて、出陣であります！
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