| チェイス！ ＤＨＯＯＭ ３ |
これは、インドのバイクアクションをウリにしたシリーズの第三弾。
本作ではインドの大スター、アーミル・カーンを主役に起用、本国でも大ヒットとなった勢いに乗っての日本公開となります。
シリーズ３作目にして日本のスクリーンに初登場となる訳ですが、これまでから引き継いでいるのは凸凹コンビの２人の刑事くらいのようで、物語も舞台も独自性が高く、鑑賞に差し支えるような事はないと思います。
１９９０年のシカゴ。非情な銀行により資金融資を断られたインド大サーカスの団長が自殺した。
それから２０余年。現代のシカゴで、大胆な手口で銀行を襲って大金を奪う事件が続発していた。逃走する犯人はあっと驚く奇抜な方法で包囲網を抜け出し、追跡する警官を煙に巻いてしまう。
現場に残されたヒンディー語のメッセージを手掛かりに、シカゴ警察はインドからジャイ刑事と相棒のアリを招くことになる。
同時期にシカゴでは、復興したインド大サーカスが興行準備を進めていた。サーカスの若き代表サーヒルは、シカゴ警察を訪れ、捜査への協力を申し出るのだが、そのサーヒルこそ銀行強盗の犯人。彼は、父の夢と命を奪った銀行への復讐のため、銀行襲撃を繰り返していたのだった……
インド映画と言えば、歌と踊りのエンターテイメントで上映時間も長い印象がありますが、その例に漏れず、この映画もインド公開版は２時間５２分もあります。日本で公開されるのは２時間３１分のインターナショナル版ですが、インド映画ならではの歌や踊りもしっかり残っており、派手なアクションに加え、歌に踊り、華やかでアクロバティックなサーカス舞台と、見所満載となっています。
（尚、インド映画にありがちな唐突な歌と踊りのシーンですが、この映画では、オーディションシーンやサーカス舞台など違和感なく組み込まれて、ストーリーの流れを阻害しないようになっているのは国内向けだけでなく国際化を目指すインド映画の変化を感じる部分です）
更に、（ネタバレになってしまうので紹介は控えますが）中盤以降で明かされる重要なトリックに重ねた愛憎のドラマ、そして初めての恋と、圧倒されるようなボリューム感のある内容となっています。
主演のアーミル・カーンは、現在４９歳と言う年齢が信じられないような、筋骨隆々の見事にビルドアップされた肉体（体脂肪率９％とか）と、重要な二役を演じ分けると言う卓越した演技力を見せ、正に映画の屋台骨たる堂々の活躍。
これが大スターの貫録と言うもので、シリーズ主演のはずの２人の刑事も立場なしと言う感じでした。
また、ヒロインのカトリーナ・カーフも鍛え上げられた肉体と高い身体能力を活かしたダンスとアクロバットを披露。
この主演２人のギリシア彫刻像のような見事な肉体美には圧倒されます。
国内の大市場を土台に国際市場へ進出しようと言う、インド映画の新たな潮流を感じるこの映画。日本でも、再びインド映画ブームを呼び込むような力を感じます。
（２０１４年 １２月１２日 １０９シネマズＭＭにて）
（作品データ）
■監督・脚本
ヴィジャイ・クリシュナ・アーチャールヤ
■出演
サーヒル ・・・ アーミル・カーン
アーリア ・・・ カトリーナ・カイフ
ジャイ ・・・ アビシェーク・バッチャン
アリ ・・・ ウダイ・チョープラ
（その他のキャスト）
タブレット・ベセル
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地上！水上！空の上!? シカゴ大爆走のアクロバット・チェイスが始まる
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