サボタージュ
SABOTAGE
これは、アーノルド・シュワルツネイガー主演最新作。
「エンド・オブ・ウォッチ」で注目され、「フューリー」の公開が控えるデビッド・エアーが監督を務めています。
輝かしい功績を持つＤＦＡ（麻薬取締局）捜査官、ジョン・ウォートン。
南米の麻薬組織によって妻子を惨殺された悲劇を乗り越え、未だに第一線で活躍する、伝説の捜査官だ。
部下を率い、麻薬カルテルのアジトを襲撃して闇資金の一部を着服しようと目論んだジョンらだが、金は誰かに奪われ、それどころかＤＦＡから押収金の着服を疑われたジョンらは任務から外され、厳しい取り調べを受ける。
黙秘を貫き、半年後に現場復帰した彼らだったが、仲間がひとりずつ惨殺されて……
これは何ともちぐはぐな印象を与える映画。
映画の設定だけ見れば、屈強な部下を率いて麻薬カルテル相手に大暴れ、と言うシュワルツネイガー版の「エクスペンダブルズ」とも思えますが、部下と共に押収金の不当着服を目論んで失敗、それをＤＦＡに締め上げられる、と言う意外な展開。
更に部下が惨殺され、今度は、その犯人捜しのミステリーか？と思わせるものの、この謎解きも中途半端で、最後は西部劇紛いの設定で、妻子殺害の報復劇になる、と言う……
確かに、デヴィッド・エアー監督のリアル志向な映像・演出で見せるアクションは見応えがあり、銃撃戦や、カーチェイスの迫力も充分。
レイティングを考えた最近のぬるいアクション映画とは一線を画す、ホラー映画ばりの遠慮のない人体破壊と流血シーンも、「他の映画とは違うぞ」と言う意気込みを見せるものでしょう。
サム・ワーシントンら若手が、大先輩のシュワルツネイガーを立てて脇を固めているのもいいし、ミレイヌ・イーノス、オリビア・ウィリアムズの女性もしっかり存在感を出しています。
そうした個々の部分はいいし、よく考えられたエピソードもあるのですが、これが１本の映画になるとどうにも繋がりが悪く、ちぐはぐな感じなのです。
どうやら、スタジオの横やりで、この有様となったらしく……そうだとすれば、何とも勿体ないことだと思います。
（年 月日 にて）
（作品データ）
■監督
デビッド・エアー
■出演
ジョン“ブリーチャー”・ウォートン ・・・ アーノルド・シュワルツネイガー
リジー ・・・ ミレイユ・イーノス
“モンスター” ・・・ サム・ワーシントン
（その他のキャスト）
ジョー・マンガニエロ ジョシュ・ホロウェイ テレンス・ハワード マックス・マーティーニ
ケヴィン・ヴァンス マーク・シュレーゲル モーリス・コンプト マーティン・ドノヴァン
マイケル・モンクス オリヴィア・ウィリアムズ ハロルド・ペリノー
■コピー
１人ずつ消されていく、最強の９人。
■Ｌｉｎｋ
［戻る］