| プレーンズ ２ ファイアー＆レスキュー |
これは、自動車を主人公とした独自の世界を創り上げた「カーズ」のスピンオフ作品で、飛行機を主人公とする「プレーンズ」の第二弾。
世界一周レースを制した農薬散布機のダスティは、その後も快進撃を続けていた。
そんなダスティが故郷に錦を飾る凱旋レースを前に、訓練飛行中にダスティのギヤボックスにトラブルが発生。幸いにも大事には至らなかったのだが、スペアのギヤボックスは既になく修理不能になってしまう。
「今度、全開運転をしたらギヤボックスは壊れて墜落する」と宣告されたダスティは、レースからの引退を迫られる事になってしまった。
自暴自棄になり、町の皆に迷惑をかけてしまったダスティは、その責任をとるため、消防隊員研修を受ける羽目になる。
訪れた山岳レスキュー隊のメンバーはダスティを歓迎してくれたが……
元々、この「プレーンズ」は劇場公開されずＤＶＤリリースされるスピンオフ作品として企画されました。
劇場公開作品を手掛けるピクサーをメジャーとすれば、傘下のマイナーに当たるディズニー内の製作チームで作られたのですが、その出来が予想外によかったので「プレーンズ」は劇場公開されたのですが、この２作目には、やはりマイナーか、と言う力量不足を感じてしまいました。
確かに、飛行シーンの浮遊感とスピード感は特筆すべき出来で、その出来映えは前作以上。
宮崎アニメ以外で、これほどの飛行の爽快感は得られたのは本作くらいではないか、と思わせる素晴らしいシーンもあり、ビジュアル的な完成度はかなり高いと思います。
ただ、ドラマに弱さを感じてしまいました。
レースでチャンピオンになった事で天狗になってしまった主人公が周囲との間で軋轢を生み、レース以外にも大事な事があると見出して仲間に受け入れられる、と言う基本は「カーズ」の１作目と同じなので悪くはないのですが、その筋運びがどうにも上手くないのです。
ギヤボックスの故障、と言う設定や、「人生はままならないもの」と言う最近のディズニーが得意なホロ苦さのあるテーマも上手く活かせていません。
この辺り、低出力のエンジンに載せ替え、もうレースには出られなくなってしまったダスティが、そのエンジンでも出来ることに生き甲斐を見出すと言うようにすれば、それこそ“セカンドライフ”をどう生きるのか、と言うテーマのドラマを描けたように思うのですが……
（２０１４年 ７月２５日 横浜ブルク１３にて）
（作品データ）
■監督
ボブス・ガナウェイ
■出演
ダスティ・クロップホッパー ・・・ 瑛太
（その他のキャスト）
近藤春菜 箕輪はるか 金尾哲夫 喜田あゆ美 白熊寛嗣 新田英人
駒谷昌男 磯辺万沙子 仲野裕 後藤哲夫 山野史人 山野井仁 佐藤美一
■コピー
絶対に守り抜く――仲間たちを信じて。
■Ｌｉｎｋ
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