神様のカルテ ２
これは、医師でもある作家・夏川草介の同題小説を、深川栄洋が映画化した人間ドラマの第二弾。
主演は、「嵐」の櫻井翔。
２４時間３６５日の診察を謳う、松本の本庄病院に勤務する栗原一止医師。
妻の榛名は妊娠中で、撮影旅行に出ることもなくアパート・御嶽荘で過ごしているのだが、栗原は妻の元にもろくに戻れず、病院に泊まり込む多忙な日々を過ごしていた。
そんな本庄病院に、栗原の医大の同期で親友だった進藤辰也が本庄病院に赴任、一止は再会を喜ぶ。だが、勤務に就いた進藤の評判は芳しいものではなく・・・
地域医療、医療格差、医師不足・・・と言う、現代医療の問題を抱え込み、そこに仕事と家庭の両立や、夫婦のあり方などの人間ドラマを盛り込む、その内容は、シリーズものにありがちな薄まる要素を見せず、更に濃厚。実力あるキャストを揃えて描くドラマには見応えがあります。
特筆すべきは櫻井翔で、藤原竜也、妻役の宮崎あおい、看護師役の池脇千鶴と言う才能と実績ある若手俳優を相手に見劣りしない演技を見せ、映画を支える屋台骨となっているのは立派なものだと思います。
気になったのは、「命を救うだけでなく、人間として看取る」と言うドラマがクライマックスとなり、末期患者に「思い出の風景」を見せる、と言う展開が前作と同様になってしまったこと。
今回は、過酷な医療の現場において、栗原と進藤、２組の夫婦を対比させ、ぶつかり合うドラマを描くのでもよかったと思うのですが・・・
そして、いただけないのは栗原の妻、榛名のキャラクター。
拗ねず怒らず、我が儘も言わずに笑顔で夫を支える妻と言う描写は、今回、仕事の重圧に壊された進藤夫妻の姿と比較される事で。あまりにも現実離れしている事が明確になってしまったように感じられました。
（月日 にて）
（作品データ）
■監督
深川栄洋
■出演
栗原一止 ・・・ 櫻井翔
栗原榛名 ・・・ 宮崎あおい
進藤辰也 ・・・ 藤原竜也
東西直美 ・・・ 池脇千鶴
（その他のキャスト）
要潤 吉瀬美智子 朝倉あき 原田泰造 濱田岳
吹石一恵 西岡徳馬 市毛良枝 柄本明
■コピー
そして、愛はつながっていく。３組の夫婦の命と希望の物語――
■Ｌｉｎｋ
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