１７歳
これは、「８人の女たち」のフランソワ・オゾン監督の最新作。
援助交際にはまりこむ１７歳の少女を通して「女」を描くドラマです。
１７歳の誕生日を前に、夏のバカンス先で出会った青年と初体験を済ませたイザベル。処女喪失後の彼女は、出会いサイトを使って不特定多数の男性と性交渉を行うようになる。
秋のある日、大人びた服とメイクでホテルを訪れた彼女は、一室のドアをノックする。相手が思っていたより年上の老紳士だったことに、イザベルは少し戸惑うが、いつものように身体を重ねる。
老紳士はイザベルを気に入り、度々連絡をするようになるが、ある日、老紳士は、行為の後で急死してしまい……
この映画、同性愛者でもあるフランソワ・オゾン監督が、正に同性愛者であるが故の鋭い視点で、「女」と言うものを描く映画です。
「女」を描くのに、１７歳と言う女性が最も輝く年齢を選び、しかも、ヒロインであるイザベルの心情のみを語らず、周囲の人々を通じて、あたかも状況証拠を重ねるように「女」を描き出して行く様は、ミステリータッチと言えるほど。
それ故にいささか判り難くもあるのですが、そこは大抵の題材を如才なくエンターテイメントにしてしまうオゾン監督だけに、判らなくとも楽しめるのも美点でしょう。
その「お楽しみ」が、イザベルを演じるマリーヌ・ヴァクト。
元モデルで、これが映画デビューとなる彼女は、さすがに１７歳ではないのですが、少女らしい細身の身体に意外なほどに豊かなバストで、女性が最も輝く時を見事に体現しています。また、衣装とメイクで、少女から娼婦へと鮮やかに変身する様もまた目を楽しませてくれるポイントでしょう。
そしてラストには意外な親切さで、「女」の本質を垣間見せます。
それを語るのが大御所、シャーロット・ランプリングなのですから、よくもまぁ、あの台詞――「（“それ”があれば）自分だって同じことをやっている」――を言わせたものです。そして、“それ”こそが「女」の価値である、と……
皮肉とユーモアが持ち味のフランソワ・オゾン監督ですが、これはさすがに笑えず、同性愛者らしく、女性を突き放すような残酷さが多分に含まれるもの。
しかし、それもまた一面の真理、と考えさせられる映画でした。
（年 月日 にて）
（作品データ）
■監督
■出演
イザベル ・・・ マリーヌ・ヴァクト
（その他のキャスト）
ジェラルディン・ペラス フレデリック・ピエロ シャーロット・ランプリング ファンタン・ラヴァ ヨハン・レイゼン
ナタリー・リシャール ジェジェ・アパリ リュカ・プリゾール ロラン・デルベック
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若さは いつも 美しくて愚かしい
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