マイティ・ソー
ダーク・ワールド
これは、マーベル・コミックスの中でも最強のヒーロー、マイティ・ソーの映画版第二弾。
「アベンジャーズ」の戦いから１年、アスガルドに関わる９つの世界の戦いを終結させたソー。
大神・オーディンは、その功績を認め、王座を譲る事を考えていたが、ソーは地球に残して来たジェーンの事を想い続けて来た。
一方、ロンドンのジェーンは、市内の廃墟で重力異常現象に遭遇。２年前のニューメキシコの時と同じく、異世界への扉が開いている事を知ったジェーンは調査を続けるうちに・・・
北欧神話の雷神・トールをモデルにしたソーは、マーベル・コミックスのヒーローの中でも別格の強さ。
いかに常人ではないと言え他は人間なのに、何しろソーは「神様」なのです。
その手にするハンマー“ムジョルニア”は、燃え尽きた星の欠片――つまり、白色矮星の構成物質で、その重さは数十、或いは数百トンにもなろうか言うシロモノで、それを振り回すソーの怪力無双ぶりが判ろうと言うもの。
ところが、何故か劇場版ではぱっとせず、「アベンジャーズ」でも“最強”はハルクなのでは？と思われる体たらく。
勿論、ソーは気のいい好漢で、演じるクリス・ヘムズワースの鍛え上げられた肉体も正に全盛期の充実ぶりを示してはいるのですが・・・この映画でも、そのハンマーをひょいとコートハンガーに掛けるシーンがあり（おいおいおい・・・）、どうにも扱いが軽いのが気になる所です。
唐突に出て来た“エーテル”や惑星直列などの大仕掛けもあまり機能しているように思えず、妙に世界観がこじんまりとしているのも前作同様。
また、今回の監督、アラン・テイラーはＴＶドラマ出身で、目の離せない、トリッキーでコミカルな演出が光ります。
特に、クライマックスとなる重力場制御装置を使って生み出された縦横無尽のワームホールを使ったアクションは、ほとんどドタバタコメディの領域。
大迫力の破壊シーンと、笑えるコミカルな展開の組み合わせは、確かに楽しめはするのですが・・・
締めくくり方もいかにもＴＶドラマ流。
本来ならエンドロール前のシーンを一番最後に入れて最後まで席を立たせないようにするやり方は、このシリーズの恒例とは言え、いささかあざとい。
それに、ロキの扱いにはびっくり。
これは、絶対にもう一波乱あると確信させる、ちょっと納得しかねる展開でした。
（月日 にて）
（作品データ）
■監督
アラン・テイラー
■出演
ソー ・・・ クリス・ヘムズワース
ジェーン・フォスター ・・・ ナタリー・ポートマン
ロキ ・・・ トム・ヒドルストン
オーディン ・・・ アンソニー・ホプキンス
（その他のキャスト）
ステラン・スカルスガルド イドリス・エルバ クリストファー・エクルストン アドウェール・アキノエ=アグバエ
カット・デニングス レイ・スティーヴンソン ザカリー・リーヴァイ 浅野忠信 ジェイミー・アレクサンダー
レネ・ルッソ スタン・リー クリス・エヴァンス オフィリア・ラヴィボンド ベニチオ・デル・トロ
■コピー
「ロキよ、お前の最後のチャンスだ。――私とともに、地球を救え」
■Ｌｉｎｋ
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