大脱出
ＥＳＣＡＰＥ ＰＬＡＮ
これは、シルベスター・スタローンとアーノルド・シュワルツネッガーと言う、かつての２大肉体派アクション俳優共演となるアクション映画。
セキュリティ・コンサルタントのレイ・ブレスリンは、特殊が調査を行っていた。それは、実際に刑務所に入所、その保安上の欠点を突いて脱獄してしまう、と言う調査だった。
そうして全米１４カ所の刑務所から脱獄、刑務所のセキュリティに関しての本も出版している“脱獄のプロ”、レイに対し、ＣＩＡから依頼が舞い込む。
重犯罪者を隔離する為の特殊刑務所からの脱獄が不可能であることを実証して欲しい、と言うのだ。
報酬は破格の５００万ドル。これを引退前最後の大仕事として引き受けたレイだが・・・
スタローンにシュワルツネッガー。肉体派の２人がタッグを組んだ作品だけに、破壊とアクションの派手な、そして大味なものを予想していましたが、出来上がった作品は、意外にも、警備の穴を突き、場合によっては人情に訴えつつ脱出計画を組み上げて行く、知能戦の様相を見せます。
その辺り、さすがに６０歳を過ぎて衰えの目立つ肉体をベテランならでは駆け引きとギリギリのサスペンスで補おう、と言う製作者側の意図とも思えますし、また、スタローンには全盛期からこうした知能戦を好む傾向もあり、主役２人の役割分担をさせる狙いがあったのかも知れません。
ただ、頭脳戦の展開はいいとしても、物語のスケールは、この２人を受け入れるにはちょっと小さめな上、細部の詰めも甘く、更に、この敵対する悪役もちょっと力不足。ジム・カヴィーゼルは、クールないい面構えを見せているのですが、ここはもう少し大物俳優が欲しい所。
また、これは映画の責任ではありませんが、刑務所が洋上を進む超大型タンカーを利用して作られた、と言うのを予告編でネタバレしてしまっているのも勿体ないと思いました。
ただ、スタローンとシュワルツネッガーが同じスクリーン上で、拳を交え、撃ちまくると言う往年のアクション映画ファンが夢見たであろうシーンは、正にリアル版の「アベンジャーズ」。
そう、これが見たかった、と言うファンの希望に応えるものにはなっていますし、クライマックスの銃撃シーンでは、シュワルツネイガーがヘリコプターの機関銃座から機関銃をもぎ取り、腰だめで撃ちまくると言うサービスシーンまで入れられています。
（「ランボー」然り、「ターミネーター」然り、この２人にはこうしたゴツい銃器が似合うのですな）
ラスト、全ての謎を解き明かし、黒幕にも落とし前をつけてきっちり幕を引いた辺りも往年のアクション映画風で気持ちよく、思っていた以上に満足出来た１本でした。
（２０１４年 １月１０日 横浜・ムービルにて）
（作品データ）
■監督
■出演
レイ・ブレスリン ・・・ シルベスター・スタローン
エミル・ロットマイヤー ・・・ アーノルド・シュワルツネッガー
ホブス ・・・ ジム・カヴィーゼル
（その他のキャスト）
ファラン・タヒール エイミー・ライアン サム・ニール ヴィンセント・ドノフリオ ヴィニー・ジョーンズ
マット・ジェラルド カーティス “５０セント” ジャクソン ケイトリオーナ・バルフ
■コピー
“完全”を超えろ
そこは、地図にのらない動く要塞。
■Ｌｉｎｋ
［戻る］