ルームメイト
これは、今邑彩の同題のミステリー小説を元に、古澤健監督が作り上げたミステリー映画。
北川景子と深田恭子と言う二人の美人女優の初共演作、と言う事でも話題となりました。
派遣社員として働く春海は、交通事故に遭って入院することとなった。
非正規社員と言う立場の為、入院中に仕事を切られ、退院後に不安を感じていた折、親切にされた看護師の麗子と仲良くなり、病院を辞めて別の仕事を探す、と言う彼女とルームシェアをすることになる。
不自由な生活を支えてくれる麗子に感謝していた春海だが、同居している麗子が時折見せる別人のような言動に違和感を覚えるようになる。
やがて、二人の周囲で不可解な事件が起こり始め・・・
原案となった小説は、３０万部を売るベストセラーで、傑作と評も高い作品。
それを、監督の古澤健は大胆に脚色。到底、原作にしたとは言えず、「原案」と言う表現になりましたが、これは価値ある改変だったのではないでしょうか？
小説版では、ルームメイトが失踪し、その行方を追う、と言う形でミステリーを進行させていたのに、映画では出ずっぱり。
まぁ、人気女優の話題の共演、２人に出番を与える営業上の都合か・・・と思わせておいて、そこに大きなトリックを仕込む、これにはやられました。
冒頭に持って来た惨劇、やり過ぎ感もあるホラータッチの演出も、全ては観客のミスリードを誘う仕掛けですからしたたかなもの。見終わった後で、やられた、と思うと同時につじつまが遭っているかの確認にもう１度見返してみたいと思うのではないでしょうか？
ただ、麗子の二重人格設定は、確かにトリックのひとつとは言え序盤からあからさまに出し過ぎのように思えるし、相変わらず芝居の固い北川景子の不器用さも気になる、と、問題もあるけれど、絵になる美人女優２人の共演には見応えがあり、ミステリとしてもきっちりプロットを組み上げたなかなかの力作。
ベストセラー小説の映画化で、人気女優を並べて客を呼ぼうと言う、“商売上の都合”を押しつけられた中で、これだけのことをやってのける大胆不敵さは立派なものでしょう。
（月日 にて）
（作品データ）
■監督
古澤健
■出演
萩尾春海 ・・・ 北川景子
西村麗子 ・・・ 深田恭子
（その他のキャスト）
高良健吾 大塚千弘 尾上寛之 筒井真理子
螢雪次朗 田口トモロヲ
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女の素顔は恐ろしい
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