名探偵コナン
絶海の探偵
プライベート・アイ
これは、青山剛昌の人気コミックの劇場版・シリーズ１７作目。
（実は、このシリーズ、これが初めての鑑賞です）
海上自衛隊・舞鶴基地のイージス艦体験航海に来たコナンたち少年探偵団と、その保護者の毛利親子。
公開演習中、謎の潜行体に接近されて艦内に緊張が走るが、海上自衛隊は、それも「演習だ」と押し切るが、コナンは、その様子に不審な匂いを嗅ぎつける。
更に、自衛隊幹部の切断された左腕が見つかる。
出番とばかりに身分を明かし、捜査に乗り出した毛利小五郎は、艦長から艦内に某国のスパイが潜入している事を知らされて・・・
海上自衛隊の全面協力を受け、映画に登場したイージス艦はなかなかリアル。
観客層を考えれば理解出来るのか？と言うような専門用語の飛び交う演習の様子などは、なかなか見応えあり。
エンドロールを見ると、ロケハンでは海上自衛隊もＣＩＣまでカメラを入れさせており、なるほど、と納得しました。
物語の方は・・・初めてこのシリーズを観るはらのような観客にも配慮して、コナンがどうして小学生の姿になったのかから説明する辺りの親切さには感心しましたし、小学生の姿と、隠さねばならない探偵の能力、と言う物語の制約も面白いと思いました。
ただ、この映画の脚本は、もうちょっと、どうにかならなかったのか、と言う感じ。度重なる「ちょっとトイレ」と言う説明にも工夫がないなぁ、と感じてしまいました。
また、スパイ捜査に対し、海上自衛隊に、海上保安庁、警視庁に、大阪府警、京都府警が一致団結して当たる、と言う出来過ぎな展開をしておいて、その上で、子供（実年齢だって、コナンは高校生でしょう）ひとりに全部解決されてしまう大人たちが情けない。
まぁ、これは、コナンを主人公にするためには仕方ないのかも知れませんが、大人も観るドラマとしては、むしろ、縦割りの組織の為に協力が出来ず、大人たちが身動きとれないなかでコナンが事件を解決する、とした方が納得出来るように思いました。
北朝鮮（映画内では「あの国」としか言わないのですが）のスパイが自衛隊に潜入してイージス艦の情報を盗む、と言う設定は、タイムリーと言えばタイムリーでしたし、新一と蘭のロマンスをも盛り込み、それを最後の救出劇に繋げる辺りの展開もなかなか。
この所、自衛隊のエンターテイメント作品への露出が増えている事に、何となくキナ臭さを感じなくもないけれど、予想以上に楽しめた映画でした。
（２０１３年 ５月１７日 ＴＯＨＯシネマズ上大岡にて）
（作品データ）
■監督
静野礼文
■出演
江戸川コナン ・・・ 高山みなみ
毛利蘭 ・・・ 山崎和佳奈
毛利小五郎 ・・・ 小山力也
工藤新一 ・・・ 山口勝平
（その他のキャスト）
茶風林 緒方賢一 岩居由希子 高木? 大谷育江
林原めぐみ 柴咲コウ
■コピー
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