| 探偵は | ２ |
| ＢＡＲにいる | |
| ススキノ大交差点 |
これは、北海道在住の作家。東直己の人気探偵小説を、大泉洋主演で映画化した探偵映画の第二弾。
監督は、この所、作品が立て続けに公開されている橋本一。
札幌ススキノ。
探偵のお気に入りのオカマパブで働くオカマのマサコちゃんが殺された。
警察による捜査が一向に進まない状況に業を煮やし、調査を始めた探偵だが、最初っから壁にぶち当たることになる。
ススキノの街では「マサコちゃんは政界の闇に葬られた。この件には近づくな」と噂され、誰もが口を閉ざしていたのだ。
同様に事件を追って探偵を尾行していた女を依頼人に、事件の調査に本格的に乗り出した探偵と相棒の高田だが・・・
このシリーズ２作目となるこの映画、大泉洋演じる探偵と、松田龍平演じる高田のキャラクターも確立し、舞台となる札幌の街にも馴染んで、映画は、その足下を固めた感があります。
今回の映画は、大泉洋の個性が前面に出た感じで、賑やかでコミカルな要素が増えました。一方で、ハードボイルドさが減った感じもありますが・・・まぁ、それは仕方ない。この映画シリーズが、物語を咀嚼して自分のものにして来ていると言うことなのでしょう。
派手な立ち回り、笑いの要素も含んだカーチェイス、それに男性ファンサービスのお色気も、と目まぐるしく感じられるほどの見せ場を盛り込んで、これは確かに面白い事は面白いです。
ただ、今回の映画は、その物語にどうも乗り切れず、違和感ばかりが残りました。
「政界の闇」を謳い、大がかりなポリティカルサスペンスになるのでは、と思われた物語は、思わぬ展開に肩透かしをされた気分ですし、中盤、次々とネタばらしされていく、その設定は不自然で納得出来ないことばかりでした。
最大の問題は、マサコちゃん殺しの真犯人で、犯人とその動機と言うのは、探偵の「マサコちゃんは、最高の街で最高の仲間に囲まれて幸せだった」と言う台詞が白々しく聞こえてしまう程の、物語を破綻させ兼ねないもの。
勿論、この探偵シリーズは、そんな大きなドラマを描くものではなく、あるべき所に着地させたと誉めるべきなのかも知れませんが・・・それだったら、真犯人を突き止めた後の探偵の涙をもっと活かした展開にして欲しかった。
また、娯楽作としてもアクションシーンの細かな詰めが悪く、ちょっとしらけるような部分がありました。
いくらでも撃てる拳銃とか、殴られた場所と違う箇所から出血しているとか・・・アクションを見せるつもりでいるのなら、こうした細部まで手を抜かずにおいて欲しいもの。
キャラクターも確立し、活躍する舞台も整って来ているだけに、それらを活かすような物語と、映画の完成度が欲しかった所です。
それは、この物語を今後続けていく為にも必要だと思うのですが・・・
（２０１３年 ５月１５日 横浜・ムービルにて）
（作品データ）
■監督
橋本一
■出演
俺（探偵） ・・・ 大泉洋
高田（相棒） ・・・ 松田龍平
河島弓子 ・・・ 尾野真千子
マサコちゃん ・・・ ゴリ
橡脇孝一郎 ・・・ 渡部篤郎
（その他のキャスト）
田口トモロヲ 篠井英介 波岡一喜 近藤公園 筒井真理子 矢島健一 松重豊
マギー 池内万作 安藤玉恵 佐藤かよ 麻美ゆま 桝田徳寿 冨田佳輔
徳井優 片桐竜次
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四つの運命は、【謎】で出会う。さあ、冒険のはじまりだ。
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