プラチナデータ
これは、東野圭吾の同題小説を、「るろうに剣心」の大友啓史が映画化した近未来サスペンス。
児童連続殺人事件の捜査に当たる警視庁捜査一課の刑事、浅間玲司は、犯人を特定する画期的な新捜査システムの説明を受けるために本庁へと向かった。
そこで、特殊解析研究所の科学者、神楽龍平から、彼が開発した、ＤＮＡ情報から犯人を割り出す「ＤＮＡプロファイリング」によって、捜査中の事件の容疑者を絞り込むデモンストレーションを見せられた。
ＤＮＡプロファイリングの結果により、見事、事件の容疑者は逮捕されたのだが、浅間は、その背景に不審なものを感じていた・・・
ＤＮＡプロファイリングなどよりも、全国民のＤＮＡデータベース化の方が捜査手法としては確実で、尚且つ、それは究極の管理社会の実現に繋がり兼ねないもの。
それはすぐ判ってしまうので、ＤＮＡプロファイリングを前面に出すのが滑稽にも思えました。
それを隠れ蓑にした警察による国民監視体制構築の恐ろしさを描き出すのか、と思ったら、そこから更にもう一ひねりした設定は、いささか説明に難があるもののなかなか面白い。
ハリウッドの大作には及ばぬまでも、凝った作りの監視システムなどのセットなども見応えがあります。
しかし、そんな設定やセットを活かしているとは思えない稚拙な語り口の物語と、テンポの悪い展開が興を削ぎます。
神楽の逃走劇の中では、制約の多い日本映画では珍しいバイクとクルマとのカーチェイスを描いているのですが、出来は悪くないものの、ダラダラと長く、手に汗握るどころか途中で飽きてしまう体たらく。
主演の二宮和也は、役作りに時間をかけられなかったのか、主演の割に存在感を発揮出来ていないのが惜しい。
（しかも、共演相手が豊川悦司にモデル出身の杏と水原希子で、揃って二宮より背が高く、常に見下ろされているのでは可哀想）
二宮和也効果で集客は悪くないとは言え・・・映画としては、ちょっと勿体ない感がありました。
（２０１３年 ３月１６日 横浜 ムービルにて）
（作品データ）
■監督
大友啓史
■出演
神楽龍平／リュウ ・・・ 二宮和也
浅間玲司 ・・・ 豊川悦司
（その他のキャスト）
鈴木保奈美 生瀬勝久 杏 水原希子 遠藤要 和田聰宏 中丸新将
ヨシダ朝 菅原大吉 小木茂光 萩原聖人 太田大輔 佐藤滋 金原泰成
淵上泰史 ウダタカキ 岩義人 春木みさよ 中村育二
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この愛さえも、DNAで決まるのか。
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