龍門飛甲
ドラゴンゲート
空飛ぶ剣と幻の秘宝
これは明朝時代の中国を舞台に、砂漠に埋もれた黄金の都に巡る財宝の争奪戦を描いたアドベンチャームービー・・・と言うよりも、やはりこれは“武侠映画”と言うべきでしょうか。
ツイ・ハーク監督が久々にジェットー・リーと組み、最新の３Ｄを駆使して描く現代の武侠映画です。
明朝中国。
皇帝の世継ぎ問題に関わる陰謀により、皇帝の子を身籠もり逃亡する宮女スーを、朝廷の謀略機関・西廠が追跡していた。
スーは、女侠客のリンに助けられ、隣国へ逃亡すべく龍門を目指して砂漠へと向かう。
一方、６０年に一度の大砂嵐を前に騒然とする砂漠の宿屋には、大砂嵐の時にのみ姿を見せる“黄金の都”のお宝を手に入れんと企むチャン率いる盗賊団が集まっていた。
そこに、スーを追う西廠の捜索隊もやって来て、宿屋は不穏な空気に包まれていく・・・
この映画は、傑作として知られる香港アクション映画「ドラゴン・イン（龍門客棧）」の続編となる映画。
（とは言え、この映画、実はグイ・ルンメイ目当てで観に行ったので、前作は未見・・・）
人気の物語世界ですし、４つ巴の人間関係に、陰謀、それにお宝争奪が絡む内容は確かに面白く、終盤の戦いの前、盗賊たちが仕組む作戦と、駆け引きも面白い。
ただ、この映画、状況設定が巧みではなく、状況説明が判りづらい。それならば、いっそのこと、実は西廠もお宝が目当てだった、と言うように物語のマグガフィンを整理し、もうちょっと人間関係を単純化した方が、よかったかも知れません。
また、宿屋での、敵味方が酒席で虚々実々のやりとりをする辺りの緊迫感がちょっと物足りず、この辺り、タランティーノが演出したら面白くなるかも、と思ってしまいました。
お目当てのグイ・ルンメイは蛮族の盗賊団の女首領、と言う役柄で・・・最初は残念に思いましたが、途中からは、確かに中性的な個性を活かしてのキャスティングと見直しました。
（ただ、彼女の持ち味の透明感を活かす役柄ではないのだよなぁ・・・）
見所となるジェット・リーのアクションですが、冒頭の造船所でのワイヤーアクションはなかなか見せるものの、クライマックスのアクションが見え見えのＣＧ頼りとは・・・
折角のジェット・リー起用なのだから、もっと見せ場を作れなかったものでしょうか？まだまだＣＧを使いこなせていない部分があるとは言え、残念な部分でした。
ＣＧに加え、３Ｄまで駆使して描く、最新の武侠映画ではありますが・・・あれこれと及ばぬ、もうちょっと感があるのが惜しい映画でした。
（月日 にて）
（作品データ）
■監督
ツイ・ハーク
■出演
ジェット・リー ジョウ・シュン チェン・クン リー・ユーチュン
グイ・ルンメイ メイヴィス・ファン リュー・チャーフィー
■コピー
６０年に一度、“黄金の都”は砂漠に甦る。
■Ｌｉｎｋ
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