フリーランサー
ＮＹ捜査線
これは、人気ラッパー、カーティス“５０セント”ジャクソン主演のクライムサスペンス。
ストリートギャングだったジョナスは、逮捕されたのをきっかけに更正し、仲間たちと共に警察学校へ入校。
めでたく警察官としてＮＹＰＤに配属される。
そして、ジョナスは警官だった彼の亡き父の相棒だったと言う、サルコーネ警部に目を掛けられ、サルコーネを頂点とする悪徳警官らが仕切るドラッグビジネスに荷担することになる。
しかし、やがて、そうした警察の腐敗が、父の謎の死に関連する事を知ったジョナスは・・・
警察の腐敗を描いたアメリカ映画は多くあります。大抵は正義感の強い主人公が、その腐敗に立ち向かう、と言う構図になるのですが・・・この映画の面白い所は、主人公のジョナス、元々がストリートギャングで、警察内の腐敗に直面しても、役得のひとつくらいに受け止め、見る見る馴染んで行くところ。
ジョナスを演じるカーティス・ジャクソン自身、麻薬売買経験もある、と言うことで、いわば“チョイ悪”を馴染んだ風に演じています。
とは言え、演技経験が少なく気合い先行のカーティス・ジャクソンを、ロバート・デ・ニーロとフォレスト・ウィティカーの貫禄と存在感ありありの演技で補い、期待を持たせる映画の入り方は期待を持たせるものでした。
個性的な３人の新人警官がそれぞれに自分の道を歩き出して行く展開もいいし、観客サービスのお色気シーンも盛り込まれ、娯楽作としての出来はなかなか。
しかし、映画後半に至って展開は駆け足進行となってしまったのは残念。もう少し尺を延ばしてサスペンスを盛り上げて欲しかったように思いますし、何より肩透かしされた感があったのは、悪玉との決着が持ち越しにされてしまった事。
見えて来たのは、映画終盤で、漸く“フリーランサー”となったジョナスと、悪玉の麻薬王との戦いを描く“５０セント”主演の連続ドラマが、これから始まると言う構図。
映画版は、その連続ドラマのプロローグ、と言う所ではないのでしょうか。
そうやって考えると、このキャスティングにも納得。
ロバート・デ・ニーロとフォレスト・ウィティカーと言う大物の起用が話題になっていたけど、この２人は本作で退場、後はＴＶメインの俳優ばかりだからなぁ・・・
（２０１３年 １月１８日 ＴＯＨＯシネマズららぽーと横浜にて）
（作品データ）
■監督
ジェシー・テレロ
■出演
ジョナス ・・・ カーティス“５０セント”ジャクソン
サルコーネ警部 ・・・ ロバート・デ・ニーロ
ラルー ・・・ フォレスト・ウィティカー
（その他のキャスト）
マルコム・グッドウィン ライアン・オナン アナベル・アコスタ ポー・ガレット
ダナ・デラニー マイケル・マグレディ
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壮絶な――刑事悪。
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